<大相撲夏場所>◇10日目◇15日◇東京・両国国技館

 1敗の大関稀勢の里(25=鳴戸)は大関琴欧洲(29)を破り1敗をキープし単独トップに立った。

 稀勢の里が執念で1敗を守った。琴欧洲とは合口が悪く、これまで12勝23敗。右を差されて押し込まれたが、右上手を引き、体を預けるよう寄り倒し。「思い切って前へ前へという気持ちだった」。初の単独トップに対する質問が飛んでも、顔色は変わらず。「1日1日集中することだけを考える。まあ思い切って。そんなに焦ることもないと思いますから」。淡々とはしていたが、初優勝への意欲はしっかり口にした。

 ほどよい緊張感がある。最近の就寝時間は午前0時ごろ。これまでは深夜2時前後まで起きていたという。睡眠は5時間程度と短かった。「何か、もったいなくて寝られなかった。取組のことでも考えていたのかな。今は疲れるから、すぐに寝られる」。これも白星続きの一因だろう。

 10日目以降の日本人力士の単独トップは、07年秋場所11日目で当時新入幕だった豪栄道以来。06年初場所の栃東(現玉ノ井親方)以来となる日本勢Vに前進した。周囲の期待は高まるが、稀勢の里は「自分を信じてやるだけ」とつぶやく。自分を信じろ-。昨年11月に急逝した先代鳴戸親方(元横綱隆の里)がよく語ったフレーズを用い、自らの相撲を貫き通すと誓った。【大池和幸】