パ・リーグは首位西武が16日から1・5ゲーム差の2位ソフトバンク、19日から2・5ゲーム差の3位オリックスを本拠地に迎えて6連戦。福岡を中心に活動する日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(52)は、2年ぶりの優勝を狙うソフトバンクにとって今後を左右する3試合だと最重要視した。

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過密日程の8月戦線で、ソフトバンクにとっては最大のヤマとも言える西武3連戦を迎えた。16日から敵地・所沢で首位奪回を目指すことになるが、この3連戦はホークスにとって絶対に負けられない戦いだ。3連戦を終えれば残り試合は40試合を切る。首位奪取ならば上昇気流に乗れるだろうし、負け越し、3連敗となると首位戦線から脱落の危機もある。だから、チームにとっては単なる「首位攻防戦」ではなく、今後を大きく左右する所沢決戦となると思う。

これまでの西武との対戦成績は8勝5敗と勝ち越している。リーグトップの防御率2・50と安定した投手力を見せる西武だが、ホークス投手陣も対西武の防御率2・46、被打率1割9分9厘と5球団の中では最も抑え込んでいる。主砲山川の1発警戒は当然ながら、この3連戦は「打ち勝つ」攻撃陣の奮起が大きなカギを握りそうだ。

14日のオリックス戦(ペイペイドーム)では大敗を喫してしまったが、ここ最近は周東、今宮の「1、2番」コンビがうまく機能している。周東が出塁すれば簡単に送りバントせず、盗塁を絡めた多用な攻撃パターンが作れる。今宮も打撃好調。3番に入る牧原大も走力はあるだけに上位打線の「足攻」を駆使した攻撃はレオ攻略へ期待が大きい。さらに言わせてもらえば、左手親指骨折で離脱していた三森もすでに2軍戦で実戦復帰。藤本監督は19日からの日本ハム3連戦(ペイペイドーム)で三森の復帰プランを描いていたようだが、この西武3連戦から起用するべきと思う。9番に三森が入れば下位から上位までさらに機動性を高められるし、西武にとっては最も「イヤな打線」の編成となるはずだ。「泥臭く1点を取る」と言う藤本監督だけに、三森復帰で打倒レオに向けてさらに強力な機動力野球を展開してもらいたい。(日刊スポーツ評論家)

ソフトバンク三森大貴(2022年7月2日撮影)
ソフトバンク三森大貴(2022年7月2日撮影)