阪神が3戦連続完封負けで今季ワーストの6連敗を喫した。打線は中日マラーに完封勝利を献上し、これで56イニング連続タイムリーなし。日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(45)は「たとえヒットが出なくても好機は作れる」と強調し、打開策として「後ろの打者の負担を減らす意識の結集」を提案した。
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6連敗中の阪神打線を象徴するシーンが、7回裏にありました。4点ビハインドながら1死二、三塁の好機を作った場面。ここで6番・立石選手は1ボールから中日マラー投手のカットボールに詰まらされ、三ゴロで三塁走者をホームに返せませんでした。2死二、三塁となり、7番・坂本選手も左飛に倒れて無得点。珍しく悔しさをあらわにした坂本選手の気持ちが痛いほど理解できました。
立石選手の打席、中日二遊間は定位置に守っていました。最低でも二遊間にゴロを転がせば1点が入っていました。ですが、結果は三ゴロ。坂本選手は後輩が放った痛恨の凡打をカバーしようと必死だったのでしょう。それは言い換えれば、前の打者が後ろの打者に重圧を与えてしまった証しでもあります。立石選手はルーキーです。技術、メンタルともにまだ発展途上の彼を責めるのは酷な話です。ただ、仮に立石選手の打席で3点差にできていたら、坂本選手はもう少し楽に打席に入れていたはずです。
阪神は3戦連続完封負け。56イニング連続で適時打が出ていません。打てない時期はどうしても打線全体に焦りが出てしまいます。そんな時こそ「後ろの打者を少しでも楽にする」という自己犠牲の精神を徹底するべきではないでしょうか。たとえ自分がアウトになっても、1点が入れば次の打者にかかる重圧を減らせます。走塁ひとつにしても、たとえば初回1死二塁になるところを好走塁で1死三塁にできれば、打者は「内野ゴロや外野フライでも1点」という感覚を持つことができます。
広い甲子園は他の球場と比べて本塁打が出にくい舞台です。とはいえ、本塁打を出せなくても得点をもぎ取れるしたたかさが、阪神打線の持ち味でもあったはずです。各打者が凡打になるにしても意味のあるアウトを積み重ねれば、次打者の負担を減らして、なおかつ好機を増やすことはできます。仮に3度しかなかった好機を6度に増やせれば、単純計算で得点できる確率は2倍になります。本塁打やタイムリーを出せなくても、得点は奪えます。阪神打線は今こそ自己犠牲の意識を結集したいところです。(日刊スポーツ評論家)




