ニコニコの笑顔で鳴尾浜グラウンドから虎風荘に戻っていく。阪神ドラフト6位の牧丈一郎投手は練習後に、いい表情をしているときが多い。2軍戦での登板機会も、まだない高卒新人だが毎日の練習で貪欲に技術吸収を心掛けている。

 「今日ですか? 岩田さんとのキャッチボールですね。グラブを構えたところに、スッとボールが来ました。これがプロのボールなんだなと」と、実戦経験とはまた違う学習法でプロの水に慣れようとしている。

 「(岩田)先輩は、いつも誘ってくれますね。こないだは(雨で試合が流れた影響で)偶然、鳴尾浜に来られていて『久々に見たるわ!』って優しく誘ってくださいました。そうやって呼んでもらって、いろいろアドバイスをくださるので、うれしいです」

 チームの練習道具を片付けながら、照れて話す姿の中に、だんだんとたくましくさが生まれてきた。【阪神担当 真柴健】