<オリックス5-0ソフトバンク>◇22日◇京セラドーム大阪

振り返ってみれば、たった1度のチャンスだった。ソフトバンクは初回2死から柳田が左翼線二塁打。続く4番デスパイネが田嶋の直球を完璧に捉えてセンター前に運んだ。二塁から激走した柳田は本塁にヘッドスライディングしたが、デスパイネの打球の速さ、中堅福田の好返球もあってアウトになった。もちろん、田嶋の好投があったとはいえ、先制点をゲットできていれば試合のシナリオは大きく流れを変えていたかもしれない。

試合開始から2時間33分。新幹線のぞみ号なら、ちょうど新大阪から博多に到着したころに、完敗のゲームセットとなった。先発東浜が2回以降は粘りの投球。5回まで毎回走者を出しながら、2併殺など要所を締めてホームを死守した。一方、ホークス打線は2回の今宮の二塁打を最後に、3回以降はきっちり3人で片付けられていた。勝負どころの6回、東浜が杉本に先制3ランを被弾。この時点で勝負は決まった。

前日21日は先発の石川が1-1の7回、先頭紅林に勝ち越し弾を許した。中盤の踏ん張りどころはやはりホークスのゲームを大きく左右する。チームのイニング別得失点を見ると、得点より失点が多いのは6回の34失点、25得点(マイナス9)だけ。「勝利の方程式」につなぐ6回は、チームにとって「鬼門のイニング」になっているようだ。

ソフトバンクのイニング別得失点
ソフトバンクのイニング別得失点

先発の交代機、ブルペン陣の起用法。拮抗(きっこう)した局面で迎える「6回」は、ベンチワークの手腕が問われると言っていい。残念だったのは7回に2番手甲斐野があっさり2点を献上してしまったこと。田嶋攻略にてこずっている中、チームの戦意は完全になえてしまった。

7回裏オリックス1死三塁、甲斐野(手前)は宗に左犠飛を打たれ追加点を奪われる(撮影・上山淳一)
7回裏オリックス1死三塁、甲斐野(手前)は宗に左犠飛を打たれ追加点を奪われる(撮影・上山淳一)

敵地・大阪で思わぬ? 連敗となってしまったが、24日からは地元福岡で最下位日本ハムとの3連戦。何とか復元したいところだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】