中日が主力の阿部寿樹内野手(32)を放出して、楽天涌井秀章投手(36)を獲得した。新戦力として中日のユニホームに袖を通すベテラン涌井には中日のエース番号でもある背番号「20」が与えられた。涌井は西武、ロッテ、楽天の3球団で主戦投手として活躍。通算468試合に登板、154勝143敗、37セーブ、16ホールド、防御率3・57の成績を刻んできた。3球団それぞれで最多勝利賞を手にし、沢村賞の1度受賞。加藤球団代表も背番号20を与えた。「涌井投手にはエース級の活躍を期待しているので、20番をつけてもらう」という説明にもうなずける。

新背番号「20」の右腕の姿を、元チームメートと後輩が証言する。ロッテ時代に涌井と親交のあった俊足、強肩の外野手・加藤翔は涌井の姿を思い返した。「ワクさんとは、ロッテでは5年間いっしょにやった。黙々と走っている姿は、投手も野手も見ていた。チームにとってプラスになることはたくさんある。見習える部分は見習いたい」。

20年オフに涌井の自主トレに参加した横浜高の後輩・柳も話す。「実績もずばぬけている。学ぶところは僕も含めてたくさんある。うれしいが、負けないようにがんばらないといけない」。昨季オフから故郷・宮崎県都城市で自身で始めた自主トレでは、涌井との自主トレで学んだ走り込みを中心に下半身をいじめ続けた。

今季最下位に終わり中日は11年間、優勝から遠ざかったまま。パ・リーグをけん引したベテラン右腕が、中日にどう化学反応をもたらすか楽しみだ。【中日担当・伊東大介】