<ソフトバンク8-7オリックス>◇4日◇ペイペイドーム
よほど悔しかったのだろう。オリックスに連敗し、チーム4連敗を喫した試合後、ソフトバンク中村晃は「ヒットの打てない男です」と言って背中を向けたまま帰って行った。最終打席となった9回1死から中前打を放ったものの、すでに味方投手陣は先発全員マルチ安打を含む計22安打を浴びせられていた。1打席目からしっかり捉えた打球も外野の正面を突くなど4打席連続で凡退。中村晃にとって7試合ぶりとなる先発1番での起用。チームの窮地打開に人一倍、燃えていたが、終わってみれば大敗。悔しさを押し殺して背番号「7」は寡黙に帰路についた。
悔しさは結果で返す。打撃職人と呼ばれる男の真骨頂はやはりチームが苦しい場面で飛び出した。敗れればチームが借金生活に突入する分水嶺(れい)の3戦目。オリックスに8回、1点を追加され2点差となった。「とにかく食らいついていこうと打席に入りました。思い切ったスイングで完璧に仕留めることができました」。8回1死二塁からオリックス山崎颯の142キロのフォークボールを仕留めた。打球は右翼スタンドに突き刺さる同点の2号2ランとなった。チームは延長11回裏に栗原のサヨナラ打で4時間14分のロングゲームにピリオドを打った。試合後、藤本監督は言った。「(中村)アキラの1発が一番大きかった。あれで流れが変わった」。そう称賛する殊勲の1発だった。
今季ホークスの逆転勝利は4月16日の楽天戦(楽天モバイルパーク)に続いてこれで2度目。前回勝利に導いたのもやはり中村晃のバットだった。1点を追う8回に西口から右翼席へ逆転の1号2ラン。プロ16年目の今季は打撃も好調。だが、1号弾も放ち、開幕から使い続けてきた愛用のバットが雨天中止となった4月25日のドーム練習中に折れてしまった。「また新しいバットで何とか頑張りますよ」。手にした新バットでまたも大きな仕事をやってのけた。【ソフトバンク担当 佐竹英治】




