7月に高校野球愛知県大会を取材する機会があった。岡崎市民球場での準決勝だった。中日の大西崇之1軍外野守備コーチ(52)の長男で中京大中京・大西遼多内野手(3年)に話を聞いた。
身長182センチ。父より一回り大きな体でチームの主砲を務めていた。準決勝では左手甲の外側にひやりとする死球を受けたが出場を継続。決勝に駒を進めた。「めっちゃ、痛いです。折れてるかも(笑い)」。大西コーチに重なる豪快な笑顔で試合を振り返った。
父は闘志を前面に出したプレーで中日、巨人で活躍。同じ野球人として父の存在はクローズアップされてきた。「僕は小麦と卵のアレルギーがあるんです。それでも、おいしいご飯をたくさん作って、ここまで大きい体にしてくれました」。母・晴美さん(49)への感謝も忘れない。
晴美さんの旧姓は坂上。98年五洋建設レディースカップトーナメントで勝利しているプロゴルファーだ。アマチュア時代にはナショナルチーム(アマ日本代表)に所属。同チームだった東尾理子らとしのぎを削った。当時、世界アマのフランス遠征にキャプテンとして引率した日本ゴルフ協会、里深真弓ナショナル強化委員会副委員長(72)も「堅実なゴルフをする明るい選手でした」と天才女子アスリートぶりを思い起こしてくれた。
アマでは日の丸を背負い、プロでは1年間ツアーを転戦してきた。晴美さんは、「私はあんまり体を壊さない。丈夫な体は私からかな。最後まで負けない気持ちでと伝えています。負けん気は、2人から継いでます」。サッカーに打ち込む次男へ毎日5合の米を炊き、バックアップしている母は長男の活躍に目を細めていた。
大西遼多内野手は、来年からは関東の大学に進学してプロを目指す。「(受け継いだのは)お父さんからは熱いハート。お母さんから運動神経です」。野球とゴルフのハイブリッドが、4年間でどう成長するか注目だ。【中日担当=伊東大介】




