CSが盛り上がる中、担当する西武のフェニックスリーグ取材で宮崎・日南に来ている。

なぜかふと思い出した顔が二つある。中村剛也内野手(40)と栗山巧外野手(40)の同期入団コンビ。私がシーズン最終盤に体調を崩してしまったこともあって、かれこれ3週間前後は取材できていない。たまには話したいなーと、日向灘を見ながら思った。

骨牙コンビと呼ばれる。プロに入って22年間、ずっと一緒。そんなに長い間仲良くしていられるものなのかな~と思ったこともあったが、普段から見ていると、ベタベタでもなく“両巨頭”のようになっているわけでもなく、いろいろなものが適度に見える。

そのあたり、当事者たちも繕わない。中村が通算2000試合を達成した時、栗山の言葉が面白かった。

「別になんかこう、手を取り合ってとか、仲良くし合ってとか、ライバルとか、そんなのではないし。シンプルにね、同い年で同期入団で2000試合をお互いに達成できたのは良かったなと思います」

今後は? と尋ねた。

「いや、もう、別に仲悪くなるかもしれないし、これ以上仲良くなることはないと思いますし」

栗山はそう笑っていた。その数日後、試合が終わってから2人で何やら楽しそうに話してロッカールームに引き揚げていた。

中村はいつも「打てて良かったです」としか公式コメントで発しない。ほぼ100%、そのコメントだ。でも深くしつこめに聞いてみると、それは決して適当な対応なわけじゃなく、本当に心底そう思っているのだということを知った。多少のことには動じず揺るがず、流れるがままに過ごしている。

栗山はいつもバッティングを考えている。

「言葉にするの、難しいです。真面目に考えすぎなんです。それが仕事なんすけど、やりすぎなところもあるから。もうちょっと楽に行ってみようっていうのも最近はあるし」

性格はまるで違っても、それぞれに面白いし深い。フェニックスリーグで若手の言葉を聞く機会も多いけれど、やっぱり“同期で22年間ずっと一緒”というまれなプロフィルを持つコンビの存在は西武どころか、プロ野球界でも大きなものなのだと感じる。

西武は若いチームだ。松井政権2年目となる来季は、今季以上に若い力をペナントレースに注ぎそうな気配も感じる。中村と栗山のどちらか1人だけだと、ベンチ内の空気もまた違ってしまうのだろう。かといって40歳前後の選手が仮に3人、4人と1軍ベンチにいたら、起用判断も含め、チームとしての機能が難しくなるのかもしれない。

2人だからこそ。しかも、この2人だからこそ。40歳になり、しかもいろいろな記録の「節目」を迎えたシーズンに立ち会えたことは、彼らの人生観を学べた意味でも幸運だった。秋、冬。それぞれが一度休み、再び鍛える季節。北風が吹きだす前には、また深い話を聞きたい。【西武担当 金子真仁】