阪神のリードオフマン近本光司外野手(29)が、球団86年ぶりの快挙を成し遂げた。走者としてホームインすると記録される「得点」83は今季セ・リーグ最多(巨人岡本和と同数)。近本にとっては21年に91得点で最多となって以来、自身2度目だ。阪神の選手が得点王を複数回獲得したのは、2リーグ分立後初。藤井勇が1リーグ時代の1936年(昭11)秋30得点、37年春49得点と2季続けて最多となって以来、2人目の勲章である。

近本が走ると、虎は勝った。得点を記録した試合でチームは47勝11敗3分け、勝率8割1分。シーズン終盤に入ると勢いは増す。9月1日ヤクルト戦から10月1日広島戦まで、実に11連勝でシーズンを締めくくった。また得点に加え盗塁も決めた14試合では、なんと13勝1敗。勝率は9割2分9厘というすさまじさだった。

ところで、セの得点王となった阪神の選手は、近本の他にわずか3人しかいない。

◆79年掛布雅之=107得点 掛布はこの年、初めて本塁打王に輝いた。前年オフに主砲の田淵幸一が西武へトレード移籍。このため、中距離打者から大砲への変身を図った。立派に期待に応えた掛布は、本塁打での48度をはじめホームベースを踏み続けた。

◆85年真弓明信=108得点 言わずと知れた日本一チームの1番打者。バース、掛布雅之、岡田彰布らの豪打により、軽やかに本塁を駆け抜けた。

◆05年金本知憲=120得点 40本塁打と大爆発しVに貢献。5番の今岡誠がNPB史上3位の147打点をたたき出しており、4番金本も塁上から生還を続けた。

このように阪神の選手がセ得点王となった年は、いずれもチームの節目ともいうべきシーズンが多かった。度重なる故障にも負けず、得点を重ね続けた今季の近本の快走は特筆に値する。来季は球団初となる、3度目の栄冠への期待がかかる。

【記録室=高野勲】(22年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」準優勝)