恒例「言葉の力」を全2回で送ります。迫力、気力、魅力、死力、影響力、神通力…喜怒哀楽を担当記者がピックアップすると、令和元年の野球が浮かび上がってきます。第1回はグラウンド上の「激闘編」。
■パ・リーグ
西武辻監督「お面が効いたな」(9月11日ソフトバンク戦前、同監督のお面をかぶった熊代がゲキ。今季初の首位浮上を決めた試合後、熊代に殊勲のひと言=栗田成芳)
西武中村「思い出に残るホームランなんてない。そんなの考える必要もない。考える方が不思議。そういうことは現役が終わってから勝手に思い浮かぶもの。まだ現役。まだまだ打てると思う」(7月19日、通算400本達成も希代のアーチストに満腹感なし=栗田成芳)
ソフトバンク柳田「治るかどうか分からない不安がありました。4カ月間を思い出した。よう打席に立てたなと思います」(8月8日、2軍戦で左膝裏肉離れから4カ月ぶりに実戦復帰。試合後、苦しく不安だったリハビリを思い出して涙ながらに語った。その後は「テレビカメラの前で泣いてめちゃくちゃ恥ずかしい」と普段の姿に戻ったが、主砲の珍しい涙だった=石橋隆雄)
オリックス山本「守りに入ったピッチングはしたことがないです」(5月9日、日本ハム戦で今季2勝目を挙げて。負けん気の強さを感じた=古財稜明)
日本ハム吉田輝「夏は苦手ではない。夏の方が精神状況がいい感じで燃えてくる」(7月19日、千葉・鎌ケ谷での練習後、報道陣からの夏本番へ向けてという質問を受けて=山崎純一)
日本ハム清宮「打ち出したら止まらない、手をつけられないようなそういう存在になりたい」(4月30日、千葉・鎌ケ谷でのリハビリ後に報道陣から令和への意気込みを問われ=山崎純一)
日本ハム西川「暗くて、見づらかったです。真っ黒なボールを打ちました」(8月28日、釧路での西武戦は球界20年ぶりの日没コールドで敗戦。6回にソロを放った西川の言葉がレアケースを際立たせた=木下大輔)
日本ハム栗山監督「こっちは批判覚悟。俺は、常識を疑えば新しいものが生まれるはずだと思って野球をやっているだけ」(4月2日、ショートスターターを初採用した楽天戦後。常に進化を求める信念を語った=木下大輔)
日本ハム中田「目の前で見たら、ナメてるのかなと思って、すごく気合が入りました」(3月29日、開幕戦の延長10回にサヨナラ満塁弾。申告敬遠で満塁策を取られた後に狙い打った1発。4番の意地を見た=木下大輔)
ソフトバンク和田「本当はどれがきっかけになったのか、わからない。何かと何かの組み合わせが偶然、良かったのかもしれない。やったことのすべてがなかったら、治っていなかったと思う。すべてのことがあったから、今投げられていると思う」(6月23日、巨人戦で651日ぶり白星を挙げ交流戦Vをけん引。長いリハビリからの復帰に感謝があふれた=山本大地)
■セ・リーグ
阪神横田「誰かが前に、背中を押してくれた。ボールも全くきれいには見えなかったけど、練習でも投げたことない球が投げられた。本当に神様がいてくれたからだと」(9月26日、脳腫瘍の影響で迎えた引退試合で、中堅から猛チャージで奇跡のバックホーム=奥田隼人)
阪神原口「僕の活躍がそういう力になるとすれば、本当に僕もこうやって生きて、野球をやれる意味があると思う」(6月9日、日本ハム戦で大腸がんから1軍復帰後初のサヨナラ打=磯綾乃)
DeNA筒香「生きるか、死ぬか。斬るか、斬られるか。143試合戦いましょう。さあ、行こう」(3月29日、開幕戦の試合前の円陣。戦に向かう主将としての重い言葉だった=栗田尚樹)
ヤクルト青木「やまない雨はない」(5月、16連敗中に何度も口にした=保坂恭子)
ヤクルト村上「僕も人間ですよ。打つことでしか、ストレスは解消されない」(7月3日、4番を任される中での不調を乗り越え20号に到達=保坂恭子)
中日大野雄「プロ入り後、一番いいかも。去年は(妻にウイニングボールを)あげられなかった。家族の支えがあったからこそです」(4月16日、DeNA戦で573日ぶりの白星。9月のノーヒットノーランや初タイトルとなる最優秀防御率へのスタート地点=伊東大介)
広島長野「このチームで優勝したい思いと、カープファンのみなさんにかっこいい姿を見せたいという思いでした」(12月12日契約更改会見で広島残留の理由に挙げたカープ愛=前原淳)
広島会沢「今年Bクラスになって、この悔しさを晴らすのはどこかって思ったときに、他球団じゃないなって…」(10月10日、おとこ気で早々とFA権を行使せずに残留を決断=前原淳)
広島石原「今は本当に頑張っている選手たちの1ヒット、1つの好投、1つの好プレーがうれしい」(出場機会が限られた選手の奮闘を自分のことのように喜ぶチーム最年長=前原淳)
広島鈴木「何をやってもタイミングが合わなかった。タイミングが合わないなら、タイミングをなくせばいい」(9月14日巨人戦で2番手高木に苦戦。巨人坂本勇の打法なども試したが、最後はノーステップに切り替えて先制弾=前原淳)
広島大瀬良「何か1つ、津田さんの数字を超えることをひそかな目標にしていた」(8月9日阪神戦で通算50勝を挙げ、勝利数で背番号14を受け継いだ故津田恒実氏を上回った=前原淳)
阪神メッセンジャー「タイガースファンは本当に、世界一だと思ってます。イチバンデス。アリガトウ、ホントニ、メッチャアリガトウ」(9月29日、引退試合で。来日10年目の助っ人はタイガース愛にあふれていた=磯綾乃)
巨人阿部「2アウト、ランナーなしだし、ちょっと狙っちゃおうかなと思って打席に入った。狙いつつ、狙わないで打席に入れた」(6月1日、通算400本塁打を達成した打席の心境を明かした=為田聡史)
巨人原監督「年をとると、ちょっと涙腺が弱くなる。全ての固定観念を捨てて、どうやったら強くなるか。勝てるか。そのことに集中して秋からやってきました」(9月21日、5年ぶりのリーグ優勝を決めた直後。三塁側ベンチで涙が止まらなくなった=前田祐輔)
巨人坂本勇「変則ですし、タイミングを取るのは難しいけど、それを打つのがプロ」(5月28日、天敵の阪神青柳との対戦を前にプライドをにじませ、29日の同戦でアーチ=久保賢吾)
巨人菅野「もっともっと記録を残して、次の時代に初勝利を挙げた人が『菅野は令和で最初に勝った人だよ』と言ったら、ピンと来るような成績を残したいです」(5月1日、中日戦で12球団最速で令和初勝利=久保賢吾)
巨人大竹「こんなトントンのピッチャーっているのかな? 胸張って100勝したと言ったら、恥ずかしいぐらいの成績。負けて勝って、負けて勝って。その反省を生かしてやってきた」(8月12日、広島戦で通算100勝(99敗)。18年目のベテランの生きざまがにじんだ=久保賢吾)
阪神矢野監督「横田のことも目の当たりにしてみんなも確認し合って。プロとして勝たなあかんけど、その前に戦う姿勢とあきらめない気持ちを。それは俺らがやれること」(9月30日、CS進出決定直後、脳腫瘍の影響で辞める横田の引退戦に触れた=酒井俊作)
巨人宮本投手チーフコーチ「まともにいったらやられる。緩急勝負、『緩急ボーイズ』だな!」(6月10日、ジャイアンツ球場での投手練習後。今村、田口、桜井の3投手へ西武打線封じのカギを説いた=桑原幹久)
巨人高橋「ここまで育ててくださって、ありがとうございました」(4月4日、プロ初勝利を挙げた阪神戦でのお立ち台で。両親へ敬語で感謝した=桑原幹久)
巨人菅野「僕には無縁の話。ジャイアンツが大好きで、ジャイアンツでやることを夢見てずっとやってきた」(10月15日、フェニックスリーグ登板後。取得した国内FA権への反応で巨人愛を示した=桑原幹久)
■MLB
ドジャース前田「プレッシャーで、胃とか(体の)中にあるものが、きゅっとされるような感覚にはなる。先発の時より緊張します。責任はすごくのしかかってくるし、慣れるものではないですね」(10月9日、中継ぎで力投も地区シリーズで敗退=斎藤庸裕)
ナショナルズ・ストラスバーグ「自分の持っているもの全てを出した。今日でタンクを切らした。みんなを信じている」(10月29日、王手をかけられたワールドシリーズ第6戦、9回途中まで104球の力投で逆王手をかける=斎藤庸裕)
エンゼルス大谷「単純にすごいうれしいなと。偉大な先輩がいる中で初めて達成できたというのは、自分の自信になる」(6月13日、レイズ戦で日本人メジャーリーガー初のサイクル安打を達成=斎藤庸裕)
マリナーズ菊池「打たれた瞬間、振り返ってボールを見なくなりました」(9月25日、最終登板を終えて。今季はメジャー3位タイの36被弾=四竈衛)
ヤンキース田中「また何か、違った壁にぶつかった年だったんじゃないかと思います」(10月19日、リーグ優勝決定戦でアストロズに敗退。飛ぶボール、サイン伝達などの疑惑が飛び交う中、実力を発揮する難しさを再認識=四竈衛)
■アマ野球
石岡一・川井政平監督「違う終わり方をさせてあげたかった。(岩本に)報いてあげられなかった」(7月22日、茨城大会準々決勝は、センバツ1回戦同様、エース岩本の暴投サヨナラ負け。悲劇が繰り返され、監督は男泣きした=古川真弥)
東大・小林大雅投手「球が遅い分、気迫で10キロ、15キロを上乗せできるか。勇気を持てるか。これからの人生でも決断の瞬間がある。臆せず、思い切りぶつかりたい」(10月27日、大学ラスト登板も勝てず、通算0勝29敗の4年間を振り返った=古川真弥)
大船渡・佐々木朗希投手「この仲間だから乗り越えられたこともある。大船渡高校を選んでよかったです」(7月25日、甲子園の夢が消えながら、気丈に話した=金子真仁)
桐蔭学園・森敬斗内野手「日韓情勢が悪いのは分かっていたので。日本人はそこまで拒絶していないんだよ、という気持ちを示したかったのはあります」(9月6日、U18W杯韓国戦の試合中、相手野手に握手を求めた=金子真仁)











