日本ハム新庄監督は「新しい監督像をつくりたい」と就任以来、言い続けてきた。注目していた春季キャンプ第1クールでは有言実行。言うならば現役時代と同じように「みんなの兄ちゃん」というBIGBOSS像を、つくり始めたと感じた。
ファイターズでプレーした04年からの3年間もそうだった。06年の日本一をつかむまでに醸成されたチームのファミリー感は、新庄選手が背中で見せ続けた結果として出来たもの。1人で目立っているように見えるが、新庄監督はチームとしてみんなを巻き込んで一緒にやろうという意識がすごく高い人だ。
私も巻き込まれた1人だ。最初は04年9月に試合前のシートノックで行ったゴレンジャーのパフォーマンス。マスクをかぶれと言われた時は「えっ」と抵抗はあったが、やってみたらとても楽しかった。私生活でも時間を多く過ごさせてもらったり、06年の球宴でピッコロ大魔王の特殊メークをした時もそうだ。お膳立ては全て新庄監督。試合前日に指定されたホテルへ出向くと変身のリハーサル。触覚などを付けてみてサイズ感を確かめ、準備を整えて当日を迎えた。
私も気が付いたら「いくらでもやります」と前のめりな気持ちに変わっていた。チーム全体がそういう雰囲気となり、そこにファンの力も加わって、みんなで一丸となって結果を残した。その喜びを知っている人だからこそ、チームのムードを高めていくことが重要と知っている。だから監督としても、その考えにブレはない。
象徴的だったのが、第1クール3日のうち2日も国頭のBOSS組に足を運んだこと。普通はあり得ない。キャンプでは1軍と2軍を区別しない方針であることを、自らの行動で示した。1軍のキャンプは黙っていても競争意識が高い。一方で、BOSS組とはいえ2軍スタートという事実もある国頭組の選手は、指揮官が頻繁に来ることで大きな刺激を受け、言葉だけではないと実感もしたはずだ。その状況に名護のBIG組の選手も、少なからず感じるものはあるだろう。
2日間を国頭で過ごしたことで「1軍だけではない。チーム全体で戦っていくんだよ」という強烈なメッセージが送られた。プレーするのは選手たちだ。その点だけ、新庄監督が現役時代と違うところだ。選手を、その気にさせなければファンも付いてこない。監督像とともに、チームも変える決意が「みんなの兄ちゃん」から伝わってきた3日間だった。(日刊スポーツ評論家)







