将来の日本を背負う若侍がいる。3月に予定されていた強化試合・台湾戦(東京ドーム)は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、23年3月には第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の開催が見込まれる。侍ジャパンの経験がない12球団の若手有望株にスポットを当てる「未来の侍たち」第4回。

8日、阪神との練習試合で右前打を放つ日本ハム五十幡
8日、阪神との練習試合で右前打を放つ日本ハム五十幡

憧れだった場所は、目指すべき場所に変わった。日本ハム五十幡亮汰外野手(23)は、侍ジャパン入りを最大の目標に掲げている。武器である50メートル5秒59の俊足に加え、攻守でのレベルアップが必須。「今は、いざ勝負できる、絶対にジャパンに選ばれる自信はない」と足元を見つめ、夢舞台へ突き進む。

鮮烈だった。19年「プレミア12」にソフトバンク周東が選出。快足が売りの同じプレースタイルの選手が、日の丸を背負い戦っていた。「1軍で出始めてすぐだったと思うんですけど、持ち味である足で力になっていた。まずは足で、少しでもジャパンに近づけるような活躍を目指せたら」と誓った瞬間だった。

東京神宮リトルシニアでU15代表に選出。中大では「侍ジャパン大学代表強化合宿」に参加した。紅白戦3試合で6打数4安打1打点1盗塁とアピール。日本の代表として戦う意義、使命を痛感した。「目指すんじゃなくて、そこにいかなきゃダメだなと再確認した。プロでは、もっともっとレベルは違いますけど、本当に目指して、選ばれるような選手にならなきゃいけないなと感じます」と決意を新たにした。

2月からの春季キャンプでは、新庄BIGBOSSによって臨時コーチが招かれた。元陸上10種競技日本王者で日本フェンシング協会会長の武井氏や、元阪神の赤星氏からの指導は「すごく大きかった」と振り返る。「自分の引き出しを広げられるきっかけに、すごくなった。どんどん、どんどんレベルアップできるなと感じている。ここから、もっともっとという感じですね」。

2年目は、ケガなくシーズンを戦い抜くことが最低条件。盗塁王を目指し、「足」で夢をかなえる。【田中彩友美】

日本ハム五十幡の年度別成績
日本ハム五十幡の年度別成績