今夏の「ピカイチ選手」を紹介する最終回は、父子鷹の「元プロジュニア選手編」。9年ぶりの夏の甲子園を狙う東邦(愛知)を主将として引っ張るのは、朝倉大空(そら)外野手(3年)だ。父は元中日投手で、現在は中日プロスカウトの朝倉健太氏(44)。父も同校OBで3年時の甲子園に春夏連続出場。親子での出場を達成するため、強い決意を持って最後の夏に挑む。
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9年ぶり18度目の夏の甲子園を狙う東邦は、昨秋地区予選敗退の屈辱を経て人間力を磨きあげてきた。新チーム発足後、昨秋は県大会進出をかけた名古屋地区予選で栄徳に10-11の惜敗。8月下旬に早くもセンバツ出場が絶望的になってしまった。
「まずはグラウンドを日本一にしよう」
山田祐輔監督(34)は部員に約1カ月半の全体練習停止期間を設け、環境美化に専念させた。そんなイレギュラーな時期もチームを引っ張ったのが、主将を務める朝倉大空(そら)だ。昨夏の愛知大会決勝では2年生ながら4番起用された存在。誰もが認めるリーダーの姿勢がナインの道しるべとなった。
朝倉 みんなどうすればいいか分からない状態でした。でも監督の指示である以上、やってみました。
雑草抜きにグラウンド整備、ウエートルームの手入れ。掃除に明け暮れた日々を乗り越え、今では練習冒頭の15分間、部員が各所を清掃する習慣が定着した。
朝倉 集中力が増して、勝ち切れる試合が多くなりました。
エース久田泰心投手、瀬木玲央内野手(ともに3年)、朝倉を中心に今春は県大会2位。夏は悲願の頂点を狙える位置にいる。
朝倉の父は中日一筋で通算65勝を挙げた現中日プロスカウトの健太さん。同校OBで3年時の99年には春夏連続で甲子園に出場している。同じく「TOHO」のユニホームに袖を通した息子は「LINEや電話で報告します。『自信を持ってやれよ』と言われています」と感謝する。
優勝すれば、親子2代での甲子園出場となる。弟の陸投手(1年)も今春同校に入学しており、兄弟で聖地の空気を味わえる。
朝倉 優勝を目指して頑張りたい。去年は得点圏で全然打てずに負けた。今年の大会は自分が打って決める。
主将の決意は固い。【中島麗】
◆朝倉大空(あさくら・そら)2007年(平19)5月18日生まれ、愛知県名古屋市出身。小学1年からブラックサンダーズで野球を始め、6年までは捕手。中学時代は愛知尾州ボーイズでプレー。東邦入学後は1年秋から公式戦に出場。182センチ、85キロ。右投げ左打ち。父は同校OBで中日の投手として16年間プレーした健太さん。
◆元巨人古城Jr. 大翔「目標の選手、尊敬する存在」
花巻東(岩手) 巨人古城茂幸内野守備走塁コーチ(49)を父に持つ、大翔(だいと)内野手(2年)が3度目の聖地を目指す。今春センバツでは準々決勝で姿を消した。「甲子園は相手ピッチャーと試合をする場所だ」と父に教えられたが、雰囲気に圧倒されて力を出しきれなかった。「目標の選手であり、本当に尊敬する存在」と憧れる父のように、大舞台で輝く選手になるつもりだ。
◆センバツV腕、元巨人三沢Jr. 由和 昨夏は決勝適時打も
早実(西東京) 巨人の三沢興一3軍投手チーフコーチを父に持つ、由和外野手(3年)が集大成の夏に挑む。がっちりした体形に和泉実監督(63)も「父から譲り受けたものもある」とほれ込む。昨夏の明大八王子戦では延長10回タイブレークの末、決勝の2点適時打でチームを救い「野球をやってて一番うれしい瞬間でした」と語っていた。父は帝京(東京)のエース&4番で92年センバツ優勝。背中を追う。









