日刊スポーツ高校野球取材班が今夏の「ピカイチ選手」を紹介する最終回は、父子鷹の「元プロジュニア編」。
ロッテのサブロー監督(50)の次男で、3連覇を狙う関東第一(東東京)・大村魁星外野手(3年)は最後の夏へ与えられた役割を果たそうと準備している。現役時代に勝負強さを武器に多くのファンを魅了してきた父の姿を理想に掲げ、ここぞの場面の一打を狙う。
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今も変わらず目標にしている背中がある。関東第一の大村が目指す選手像は、ロッテ1軍監督を務める父のサブロー氏だ。22年間にわたりNPBの第一線でプレーした父の姿が、色鮮やかな記憶として刻まれている。はにかんだ表情を浮かべながらも素直な言葉で「すごくかっこよくて、憧れの選手です」と口にした。
特に印象に残っているのは2013年(平25)6月29日のソフトバンク戦(現ZOZOマリン)。本拠地名物の「サブローーーーー」アナウンスの後押しを受け、2-2の同点で迎えた9回1死一、三塁のチャンスで代打で父が登場した。対戦した千賀(現メッツ)の155キロの直球を右前にはじき返してのサヨナラ勝ちをテレビで観戦し、目に焼き付けた。「チャンスの場面で1本出せるところがかっこよかった」と、自分ごとのように誇らしくなった。
現役時代通算1363安打を放った父から「とにかく『割れ(※前へ進みながら、後ろに残すという逆方向のひねりの状態を作ることで、力強いスイングが生みだすこと)』を作れ」と幼い頃に言われた。かつて野球を始めた幼少期に受けた父のアドバイスを思い返し、上半身と下半身の連動性を意識しながら力に頼らない打撃を心がけ無心でバットを振ってきた。「素振りの動画を最近お兄ちゃんに送ったら、『お父さんにちょっとフォームが似てきたね』って言われました」とうれしそうに笑った。
自宅に戻るとプロ野球選手ではなく、一人の父親として接してくれたことが何よりうれしかった。3人きょうだいの末っ子。野球で結果が出ず落ち込んだ時には、4歳上の兄・勝星内野手(城西大3年)と一緒になって励ましてくれた。兄を追いかけるように関東第一へ入学し、ベンチ入りは新チームになった2年秋。なかなか試合に絡めず落ち込んだ時に、「野球を楽しめ」という父の口癖を思い出して練習に明け暮れた。
夏3連覇を狙う関東第一は東東京屈指の強豪で、今年も優勝候補に挙がる。選手層は厚い。厳しいメンバー争いだが、割って出る自信はある。外野陣の中でメンバー入りを狙う大村について、米沢貴光監督(50)は「入学した頃は少しぽっちゃりしていたけど、体格も良くなった。兄はセンス系だったけど、弟はパワー系ですね」と期待を寄せる。チームで与えられた役割を全うしながら、これまで支えてくれた家族に成長した姿を見せることが一番の目標だ。「お父さんみたいにかっこいい姿を見せたい」。憧れの背中を追いかけながら、夢舞台に向かって突き進む。【栗林真菜】
◆大村魁星(おおむら・かいせい)2009年(平21)3月15日生まれ、東京都品川区出身。幼稚園年長から野球を始め、小学6年時にはロッテジュニアでプレー。中学では東京城南ボーイズに所属し、兄の背中を追って関東第一へ進学。ベンチ入りは2年秋から。173センチ、68キロ。右投げ右打ち。




