なんとも興味深い。こんなことがあるのか。1戦目を8-0で圧勝した阪神。「おお。(自分の)背番号と同じでエエ思たんやけどな」-。指揮官・岡田彰布は背番号「80」のままのスコアに喜んだのもつかの間、第2戦は正反対の0-8で完敗となった。投手を中心にした守りのチームだけにあり得る結果かもしれないが、それにしても不思議な感じだ。
そんな正反対のスコアになれば当然、投げる投手は違ってくるはず。実際、オリックスではこの日投げた4投手と前日の5投手はまったく違う。だが阪神では「連投」となった投手がいる。加治屋蓮だ。
前日は7点リードの8回裏に登板、1回を無失点で抑えた。この日も登板したのは同じ8回裏。しかし状況は7点ビハインドだった。これだけ対照的な場面で投げるというのも、なかなか、めずらしい。おまけにこの日は加治屋の投げた1イニング間に2失策が出て失点するなど恵まれなかったが、その表情は変わらなかった。
めずらしい…と言っても何もこの日本シリーズに特化したスペシャル起用ではない。優勝した今季、加治屋はシーズン中から、こういう登板を続けてきたのだ。勝っていても負けていても投げる。その結果が岩崎優に次ぐチーム2位の51試合に投げ、1勝5敗16ホールド1セーブ、防御率2・56という成績だ。
「そうですね。こういう状況での連投となってしまいましたけど。しょうがないですね。頑張ってもらうしかない」。投手コーチの安藤優也はそう話した。
その加治屋には他の阪神ナインにはない“特筆すべきこと”がある。11月25日生まれは指揮官・岡田彰布と同じだ。この誕生日はチームに2人だけ。なんとも縁を感じる…と言えば大げさかもしれないが。
11月23日にはオリックスと入れ替えという異例の形で大阪、神戸を優勝パレードすることが決まっている。日本シリーズで勝った方と負けた方が、同じようにパレードすると思えば奇妙な感じもするがリーグ優勝はそれほど重いものと言う考え方もできる。
それでも日本一になってパレードし、その2日後に誕生日を迎えたいのは岡田も加治屋も同じだろう。移動日というほどの移動はしないのだが、ともかく1日を挟んで31日から甲子園で3連戦。「甲子園帰ってからよ」という岡田の言葉には実感がこもっていた。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




