新聞紙面ではなくネットで読んでいる方には分かりにくいかもしれないが、この日の日刊スポーツ大阪本社版には指揮官・岡田彰布と緒方孝市(日刊スポーツ評論家)の対談が掲載されている。

一般的にシーズン・オフやキャンプ中にメディアで監督と対談するのは、どこもその球団OBの評論家、解説者が多い。話しやすい、裏事情が分かる…などの理由があるからだ。

そこからすれば「最大の虎党」とも言うべき岡田と、カープひと筋で「広島の権化」、口にはしないがカープ愛なら誰にも負けない緒方の対談は手前みそながら、なかなか、めずらしいと思う。大阪版紙面で、ネットならニッカン・コムでぜひ、そちらも読んでほしい。

前置きが長くなった。その対談の中で岡田は連覇のライバルとして巨人の名前を上げている。しかし繰り返すが緒方は広島OB。当然、カープはどうか? という話題も出ていた。

それが紙面に反映されていないのは岡田が乗ってこなかったからだ。「広島なあ…」。そう言いつつ、連覇を脅かす存在とは見ていないムードを漂わせていた。昨季、2位となり、甲子園でクライマックスシリーズを戦った相手。それでもそこでの圧勝があったからこそ、自信を深めているようである。

そのカープはこの日から第2次沖縄キャンプがスタート。ちょうど阪神はキャンプ休日だ。「ここは新井(貴浩)監督の言葉を聞かないと」。そう思い、沖縄市にある広島キャンプ地に向かった。

午後3時ごろ、カープ担当に囲まれた新井。その取材が一段落したころ、こんな質問をぶつけてみた。「岡田監督は巨人のことは言うけど、カープは意識してないみたい」。それに新井は何と答えたか。

「そうですか。まあカープも忘れないでください、岡田さん、お願いしますよって感じですかね。『何じゃと? 見とけよ!』なんて、絶対、言わないですよ」。ニヤリとしながらそう話した。言うまでもなく新井も阪神経験者。他球団に比べ、阪神の記事がどういう扱い方をされるか熟知しているからこそのコメントだろう。

だがソフトな言葉とは裏腹に、新井カープはもちろん、5球団が狙うのは緒方が言うように間違いなく「打倒・阪神」のはず。連覇に向け、そこを受けて立つ戦いの開始は確実に近づいている。カープとは18日、練習試合で24年初対決だ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)