楽天、中日とのオープン戦2試合、そしてDeNAとの練習試合と、この3連休にかけて行われた阪神の3連戦。その視察のため、関西から飛んできていたのがオーナー付顧問の岡田彰布だ。言うまでもない前監督。役職は変わってもチームのことは気になる様子で「今年の沖縄は寒いよなあ」と言いつつ、グラウンドに視線を送っていた。

第2次政権となった23年、いきなり阪神を日本一に導いた。翌24年は善戦したが巨人に及ばず、球団史上初のリーグ連覇は夢に。そこで当初の2年契約通り、契約満了となって、オフに現在の顧問職になったのは虎党なら周知の通りだ。

そして、指揮官が藤川球児に代わったこのキャンプ。練習を行う中で注目されているのが“岡田時代”と違う点だ。例えば守備陣形。岡田は「前進か普通のところで守るんや」と、いわゆる中間守備はしなかったが今年は練習中だ。

外野からのバックホームは必ずカットマンに返す方針で低い送球を指令していたが、今年はカットあり、外野からのダイレクト送球ありと両方やっている。さらにマルチポジション制を進める方針を公言しており、これも岡田のやり方とは違う。4番打者も大山悠輔、佐藤輝明でなく若い森下翔太でいく、としている。

球児にとって「岡田さんは監督の理想」という話をしていたが、戦術面の細かい点では違ってきている。もちろん自分の考えでチームを動かせばいいのだが、実際のところ、そういう様子を岡田はどう思っているのか。そのあたりを少しだけ聞く機会があった。

「そんなん、好きにやったらええやん。そんなことは。要するに最後に勝ったらええんやろ。そういうことやん」。岡田は笑いながら言った。自身の理想型はあるけれど、やるのは球児。当たり前だが、そこは理解している。

個人的に言って、指揮官として若い球児が今季にいきなり結果を出せるかどうかは、正直、どうだろうとは思っている。百戦錬磨の指揮官として、勝つことだけを期待された岡田とは立場が少し違う気もする。

それでも当然、1年目から勝ちにいくのは間違いないし、岡田もそこに期待しているということだ。25日は宜野座キャンプ最後の休日。26日から最後のクールが始まる。シーズンへ向けての手応えを感じて終えられるか。1つの節目だ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

ブルペンで岡田オーナー付顧問(左)と話しをする阪神藤川監督(2024年11月10日撮影)
ブルペンで岡田オーナー付顧問(左)と話しをする阪神藤川監督(2024年11月10日撮影)
ブルペンで視察する左から上田二朗氏、和田毅氏、俳優の渡辺謙、岡田彰布オーナー付顧問、福本豊氏(2025年2月16日撮影)
ブルペンで視察する左から上田二朗氏、和田毅氏、俳優の渡辺謙、岡田彰布オーナー付顧問、福本豊氏(2025年2月16日撮影)