「ガリ! ガリ!」は重要だ、という話である。この沖縄キャンプから、阪神野手がフライを追うときのかけ声を変えていることに気づいている虎党もいるかもしれない。

これまでは自身が捕球する意思を示すときの発声は「オッケー!」。それが、このキャンプから英語、大リーグなどで使用されている「アイ・ゴット・イット!」にしている。

それを早く言うと「ガリ!」に聞こえるので守備練習中は「ガリ!」の声がグラウンドに響き渡っている。そうなった理由はいろいろあるが用語などの国際化を目指す指揮官・藤川球児の意向もあると思う。

個人的な話をすれば、イチローが草野球の練習を行っているときに「ガリガリ!」と叫んでいるのを見たことがある。なので“米国流”は知っていたが、阪神でそれをするのか、と感じている日々だ。

今年初のオープン戦となった中日戦(北谷)でも「ガリ!」の声が響いた。もっとも目立ったのは4回裏、中日の攻撃時か。無死一塁からボスラーの打球は遊撃、左翼、そして中堅の誰が追いかけてもおかしくないところに高く舞い上がった。最後は左翼スタメンだった中川勇斗がこれをキャッチする。

中川は捕球する前に「ガリ!」としっかり発声していた。「練習でやっていたんで。自然と声が出ました」。そう話したのだが、見ていた立場から言わせてもらうと、さらに早いタイミングで意思表示すれば、なお良かったようにも感じていた。言うまでもないが「ガリ!」は捕るときに発するのでなく「捕るぞ」という意思表示だ。

「そうですね。でも風が強いときはあまり早くそれを言うのもダメなんですよ。ここ(北谷)は風が強いし、特に難しいですよね」。外野守備兼走塁コーチの筒井壮はそういう説明をした。納得できると同時に、周囲との連係が何より重要で、言えばいいというものではないことも分かる。

現在は左翼の定位置争いが続く。そこでいい位置につけている中川はこの試合で二塁打を放ち、さらに四球を選ぶなど落ち着いた様子を見せている。

「すべてをどういう風に考えて利用し、自分たちの力に変えるか」。球児は主力野手がWBC代表に参加している今の状況を意識し、そんな話もした。「ガリ!」を的確に言えることも大事な部分かもしれない。(敬称略)

中日対阪神 3回表阪神無死、中川は二塁打を放つ(撮影・上田博志)
中日対阪神 3回表阪神無死、中川は二塁打を放つ(撮影・上田博志)