どうよ。これ。ほんま。あまりの圧倒で逆にブツブツ言ったりして。森下翔太、佐藤輝明、そして大山悠輔と阪神が誇る“ドラ1クリーンアップ”の本塁打そろい踏みで圧勝だ。3人そろって本塁打は初めてというのは意外な気もするが、とにかく「勢いがある」としか言いようがない。
なにせ、この日は“ドラ1”祭りだった。両軍の先発投手もそう。阪神は24年のドラフト1位・伊原陵人。中日は10年のドラ1・大野雄大だ。さらに言えば中日の2番手投手・仲地礼亜も22年のドラ1である。
「そもそもいまの中日の先発スタッフはドラ1が多いんです」。虎番記者の柏原誠が教えてくれる。大野を始め、12日に先発する高橋宏斗(20年)、前日10日に投げた柳裕也(16年)、関大出身の2年目・金丸夢斗(24年)、ルーキーの中西聖輝という面々だ。
「クリーンアップだけじゃなくて、いつも本当に打線には援護していただいています。本当にいい打者、いいチームメートに恵まれた中で投げさせてもらってるんで」。伊原は6回1失点の試合を振り返ってそう話した。
彼にとって2勝目をマークしたこの日は意味のあるマウンドになったかもしれない。ここで先発するのは昨年8月7日以来。その試合は金丸とのルーキー対決で負けている。神戸出身、関大OB・金丸のプロ初勝利ともなった試合だ。
阪神が24年のドラフトで金丸のクジ引きに敗れた後のいわゆる外れ1位入団である伊原。それだけに当時は因縁のドラ1対決に負けた格好とも言われた。それでもこの日の相手は難敵・大野。過去に阪神は“ノーノー”を食らうなど煮え湯を飲まされてきた投手だ。それだけに雪辱を果たしたと言えるかもしれない。
対大野だけでなく、この球場で阪神は苦しい思いをしてきた。繰り返すが優勝した昨年、唯一負け越した相手が中日でもある。個人的な思いで言えば、闘将・星野仙一で歓喜のVを遂げた03年も中日にだけは負け越したのだ。
虎党にとれば過去の鬱憤(うっぷん)を晴らす勝利だったかもしれない。もちろん1勝でどうこう言うこともないのだが頼もしい若武者たちの活躍で光明が差したような気もするのだ。ホームランウイングさまさまという気もしないではないが…。とにかく開幕5カード連続勝ち越し、10勝到達のタイガースである。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




