今夏限りでの休部が決まっている名門PL学園が今夏初戦。6-7で敗れ涙をのんだ。前日14日、練習中に河野友哉内野手(3年)が大腿(だいたい)を骨折。外野手の正垣は亜脱臼で出場可能な11人から戦線離脱。実質9人で戦うことになった。内野スタンドは超満員、OB桑田真澄氏のものまね芸人、桑田ます似も登場した。観衆は通常の3倍にあたる2800人が観戦。報道陣は220人。


逆転のPL、KKコンビ…屈指名門が休部/写真特集

KKコンビ、逆転劇、延長17回…/PL学園熱戦譜

1号は野田、25年連続入団も/PL学園卒プロ選手



チーム
PL
柏原

PL学園対東大阪大柏原 初戦敗退し涙ながらに整列するPL学園ナイン(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 初戦敗退し涙ながらに整列するPL学園ナイン(撮影・清水貴仁)

試合経過

PL学園・藤村、東大阪大柏原・平田の先発で試合開始

球審はあの箕島-星稜の死闘に出場した星稜の元エース堅田外司昭氏

1回表 PLは2死満塁から6番安達の右前適時打で2点を先制!

1回裏 柏原が2点を挙げ同点

2回裏 2死満塁とされ投手交代。藤村が右翼へ回り、捕手の梅田がマウンドへ、右翼手が捕手へ。しかし2点適時打され勝ち越され、さらに捕逸で3失点目。2-5に

3回裏 2死満塁のピンチをしのぐ

4回裏 1死一、三塁のピンチをしのぐ

6回表 1死一、二塁から7番水上の適時二塁打で2者生還し1点差に迫る

7回表 1死二塁から藤村の2ランで6-5と逆転!

7回裏 2死一、二塁から中前適時打許し6-6同点

8回裏 1死満塁から中前適時打で1点を勝ち越され6-7

9回表 最後の攻撃も3者凡退に終わり試合終了

PL学園対東大阪大柏原 PL学園(左)は初戦敗退で整列する(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 PL学園(左)は初戦敗退で整列する(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 2回表、打席に入る前に祈るPL学園・藤原海(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 2回表、打席に入る前に祈るPL学園・藤原海(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 7回表PL学園1死二塁、藤村の左越え2点本塁打に歓喜のPL学園ナイン(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 7回表PL学園1死二塁、藤村の左越え2点本塁打に歓喜のPL学園ナイン(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 7回表PL学園1死二塁、左越え2点本塁打を放った藤村(右)(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 7回表PL学園1死二塁、左越え2点本塁打を放った藤村(右)(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 2回途中の守備位置変更で捕手から投手としてマウンドに上がるPL学園・梅田(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 2回途中の守備位置変更で捕手から投手としてマウンドに上がるPL学園・梅田(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大学柏原 4回攻撃前、ベンチ前で声を出して気合を入れるPL学園ナイン(撮影・上田博志)
PL学園対東大阪大学柏原 4回攻撃前、ベンチ前で声を出して気合を入れるPL学園ナイン(撮影・上田博志)
PL学園対東大阪大学柏原 1回表PL学園2死満塁、右前に先制打を放つPL学園・安達(撮影・上田博志)
PL学園対東大阪大学柏原 1回表PL学園2死満塁、右前に先制打を放つPL学園・安達(撮影・上田博志)
PL学園対東大阪大柏原 PL学園先発藤村(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 PL学園先発藤村(撮影・清水貴仁)
1回表PL学園2死満塁、安達の先制2点適時打で生還する藤村(撮影・清水貴仁)
1回表PL学園2死満塁、安達の先制2点適時打で生還する藤村(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 試合開始前に円陣を組むPL学園ナイン(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 試合開始前に円陣を組むPL学園ナイン(撮影・清水貴仁)
PL学園戦を観戦しに球場を訪れた桑田ます似(撮影・上田博志)
PL学園戦を観戦しに球場を訪れた桑田ます似(撮影・上田博志)
PL学園対東大阪大柏原 注目の試合に大勢の観客が足を運ぶ(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 注目の試合に大勢の観客が足を運ぶ(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 注目の試合に大勢の観客が足を運ぶ(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 注目の試合に大勢の観客が足を運ぶ(撮影・清水貴仁)

<PL学園スタメン>

(1)三 谷口大虎(3年)

(2)二 原田明信(3年)

(3)投 藤村哲平(3年)

(4)一 藤原光希(3年)

(5)捕 梅田翔大(3年)

(6)中 安達星太(3年)

(7)遊 水上真斗(3年)

(8)左 藤原海成(3年)

(9)右 森實尚之(3年)

PL学園対東大阪大学柏原 試合前のPL学園ナイン(撮影・上田博志)
PL学園対東大阪大学柏原 試合前のPL学園ナイン(撮影・上田博志)

試合前

東大阪市の花園球場の天気は曇り、風もあり涼しい。試合開始は午後2時10分の予定だが、多くの高校野球ファンが集まっている。午前11時45分に約80人の報道陣に見守られながら、PL学園ナインが球場入りした。午後1時過ぎにはOBの吉村禎章氏(元巨人)が、宮本慎也氏(元ヤクルト)がスタンドに到着した。阪神の木戸氏、フリーアナウンサー植草貞夫氏も来場した

大勢の報道陣に見守られて球場に入るPL学園ナイン
大勢の報道陣に見守られて球場に入るPL学園ナイン
11時45分 初戦に向け球場に到着するPL学園ナイン(撮影・清水貴仁)
11時45分 初戦に向け球場に到着するPL学園ナイン(撮影・清水貴仁)
松葉杖をつきながら球場への階段を上る前日に骨折をしたPL学園・河野(撮影・上田博志)
松葉杖をつきながら球場への階段を上る前日に骨折をしたPL学園・河野(撮影・上田博志)
スタンドに到着したPL学園OBの吉村禎章氏
スタンドに到着したPL学園OBの吉村禎章氏
PL学園対東大阪大柏原 観戦するPL学園OB宮本慎也氏(撮影・清水貴仁)
PL学園対東大阪大柏原 観戦するPL学園OB宮本慎也氏(撮影・清水貴仁)
9日、開会式で行進するPL学園ナイン
9日、開会式で行進するPL学園ナイン

PL学園野球部の歴史

◆硬式野球部は1956年(昭31)創部。62年春に甲子園初出場を果たした。70年夏は東海大相模、72年夏は桜美林に敗れ準優勝に終わったが、春夏通じ12度目の出場となった78年夏、中京との準決勝を延長12回サヨナラ、高知商との決勝を9回サヨナラ、いずれも土壇場での大逆転劇で制して初優勝し「逆転のPL」の異名をとった。80年代に入ると桑田真澄、清原和博の「KKコンビ」を軸に人気、実力共に不動の地位を築いた。その後も甲子園で好成績を収め続け、98年夏には松坂大輔擁する横浜との延長17回の死闘など、印象に残る数多くの試合でファンを魅了し、プロ野球選手も多数輩出した。近年は09年夏を最後に甲子園出場はなく、不祥事が相次いだことや学園の方針もあり15年度から新入部員の募集を停止。昨秋の大阪大会は2年生12人で臨み、初戦で敗退していた。甲子園は春20度出場し3度優勝(通算48勝17敗)、夏は17度出場し4度優勝(通算48勝13敗)。現役プロ野球選手のOBにドジャース前田健太投手、阪神福留孝介外野手、楽天松井稼頭央外野手、同今江敏晃内野手、ロッテ・サブロー外野手、広島小窪哲也内野手、阪神緒方凌介外野手、巨人吉川大幾内野手