両親が見守る中、1回には史上4人目とされる高校通算90号のメモリアル弾を放った。1死一塁から、安田圭佑投手(2年)の真ん中高めの直球を強振。外角を狙ったボールがわずかに真ん中に入った失投を見逃さず、安田を「オーラが違うというか、威圧感があって、投げづらさを感じた」と脱帽させた。

 驚異的なペースで量産態勢に入った。3月8日の早大B戦の79号以降、39打席ノーアーチだったが、春季東京大会の準々決勝・駒大高戦で呪縛を解くと、9試合で12発。この間の本塁打率(打数÷本塁打)は驚異の3・17をマークする。公式戦のデータだが、1年時は10・29で、2年時は5・89。数字が清宮の進化を物語った。

 史上1位とされる神港学園・山本大貴の107本超えも視野に入った。今月は熊本と沖縄への招待試合、練習試合が組まれ、21日には春季関東大会の初戦を迎える。勝ち進めば最大で17試合行われる可能性があり、1試合1本のペースなら新記録の108本に到達する。この日は学校の方針で取材は設定されなかったが、豪快なアーチに、雄弁なメッセージを感じさせた。【久保賢吾】