秋田は5-4で第2シード能代松陽に逆転勝ちし、10年ぶりの4強進出を決めた。序盤は劣勢だったが土壇場の8回裏に逆転。2回戦から3連投の横手投げエース太田裕成(3年)が4安打4失点の3試合連続完投で逃げ切った。

 1球ごとに帽子を飛ばす、太田の気迫の投球が逆転劇を呼び込んだ。最速は126キロながら、キレのいいスライダーを決め球に、打たせて取るスタイルを貫き通した。伊東裕監督(41)は「さすがエース。本来のピッチングをしてくれた」とたたえた。

 1点を勝ち越した9回表は2死一、三塁の窮地をしのぐ。春まで4番で大会前に右ひざ前十字靱帯(じんたい)を断裂した樋口隆哉外野手(3年)が伝令に立ち、内野手全員がマウンド上で肩を組み合って励まし合った。ここまで3戦で計352球。輝かしい伝統を背負う秋田のエースは「今日は力が入って帽子が飛び過ぎかな。(仲間に)今まで助けられてきたのでエースとして背中を見せたい」と残り2戦の連投を誓った。【佐々木雄高】