2年連続15度目出場の旭川実が2-1で北照に競り勝ち、10年以来7年ぶりの秋全道1勝を挙げた。エース坪井陽汰(2年)が9回1失点完投。1-1の4回無死二塁では決勝の中前打と投打で勝利に貢献した。北照とは8月に練習試合を行ったが、カメラの故障でビデオを見られず、この日は初回に稲田翔太二塁手(2年)が走者と接触し負傷交代。トラブルとアクシデントを乗り越え初戦突破した。

 ピンチにも動じなかった。2-1の9回2死一、三塁、旭川実のエース坪井は、高く跳ね上がった打球に飛びついた。外野に抜ければ同点の場面。右手を伸ばしてグラブに収め落ち着いて一塁に送り、試合を締めた。同校にとっては、06年春以来11年ぶりの円山1勝。打っては4回に勝ち越しの中前打とフル回転し「新しい歴史をつくりたかった。貢献できてうれしいです」と喜んだ。

 仲間のためにも負けられなかった。初回無死二塁、投ゴロの処理で一塁カバーに入った稲田が走者と接触。脳振とうで交代した。「勝ち上がれば次の試合に稲田が出られるかもしれないから」と坪井。大事に至らず、試合途中でベンチに戻った稲田から「頼むぞ」と声をかけられ、エースの自覚はより強まった。

 カメラの故障にも焦らなかった。北照との対戦が決まり、ビデオ分析のため、8月の練習試合の映像を再生も4回以降が映っていなかった。「情報が少なく、まず一巡してから対策を練ることにしました」と坂口新監督(33)。坪井は変化球中心でスタートし、初回に先制点を許してから「変化球に張られていたので微調整しました」と直球主体に切り替えた。2巡目に入った3回以降は内野ゴロ13個を打たせ、稲田の代わりに出場した清水龍汰(2年)を含め失策ゼロと、野手も一丸で流れを取り戻した。

 就任5年の坂口監督にとって、円山では16年秋、今春に続き3度目で初勝利。苦しめられてきた南北海道勢を破っての1勝だ。北北海道勢は06年旭川南以降、センバツ出場から遠ざかっており「南のチームに勝って甲子園に出よう」が合言葉。勢いに乗って、次は今夏南北海道4強の札幌大谷に挑む。【永野高輔】