今春のセンバツから導入されるタイブレーク制が、100回を迎える夏の甲子園でも採用されることが決まった。日本高野連は10日、大阪市内でセンバツの運営委員会を開き、延長13回無死一、二塁から、12回までの打順を引き継ぐ継続打順でタイブレーク制を行うことを決めた。夏の甲子園と地方大会、春と秋の都道府県大会にも導入される。いずれも適用は準決勝までで、決勝は従来通り延長15回引き分け再試合を実施する。

 100年を超える歴史を誇る高校野球が、大きな転換期を迎えた。すでに今春センバツでの導入が決定していたタイブレーク制が、夏の甲子園でも実施されることになった。高校野球特別規則の改正に伴って、夏の地方大会、春季、秋季の都道府県大会でも同様に採用される。

 タイブレーク制は延長13回無死一、二塁から行われ、打順を選べる選択打順制ではなく、12回までの打順を引き継ぐ継続打順制で行われることも決まった。12回に4番打者で攻撃が終了した場合、13回は二塁走者に3番打者、一塁走者に4番打者を置き、5番打者が打席に立って始まる。

 タイブレーク制の適用は準決勝までで、決勝は従来通り延長15回で引き分け再試合となる。決勝の再試合ではタイブレーク制が採用される。

 日本高野連は10月、各都道府県にアンケートを行い、検討してきた。地方大会での導入について各都道府県の裁量に任せるのではなく、日本高野連で決めてほしいという意見が約3分の2を占めたという。また決勝戦は例外にしてほしいという意見が7割以上あった。疲労が蓄積している決勝で行わないのは整合性が取れないという声もあったが、日本高野連の竹中雅彦事務局長(63)は「各地区の代表の意見やアンケートを考慮して矛盾するけど心情を重視した」と説明した。

 タイブレーク制の導入は、選手の健康管理を考えての方策だが、竹中事務局長は「これで終わりということは絶対ない。健康管理のためにと考えると、投手の回数制限なども将来的に考えていかないと。永遠の課題です」と話した。

 ◆タイブレーク 意味はタイ(同点)のブレーク(壊す)。試合の早期決着を目指して、延長戦で人為的に走者を置く特別ルール。高校野球では明治神宮大会が11年から、国体が13年から、春季地区大会では15年から導入されている。国際大会では08年北京五輪や、09年以降のWBC、プレミア12などで採用された。

 ◆延長13回以上の試合 引き分け規定が15回に短縮された00年以降、甲子園の延長戦は春夏で合計131試合あり、13回以上戦ったのは21試合。84%にあたる110試合は12回までに決着している。