第63回全国高校軟式野球選手権大会が明日24日、兵庫県(明石トーカロ球場ほか)で開幕する。東北からは、北東北代表の能代(秋田)が2年ぶり18度目の出場。東北勢として10年の能代以来、8年ぶりの全国制覇を目指す。開幕日の24日は、北東北大会を無失点で勝ち抜くなど堅守が光る能代が篠山鳳鳴(兵庫)と対戦する。
同じ秋田県勢として「カナノウ旋風」に乗る。能代が甲子園準Vに輝いた金足農の快進撃に続く。軟式野球部は全国制覇2度と準優勝3度の強豪で、今春も6月の東北大会を制した。主将の大山椋也捕手(3年)は「投手陣も厚く、どこからでも長打を狙えるチーム。力を出し切れば優勝できる」と自信をのぞかせた。
エース児玉拓海投手と投手兼任の泉大成内野手(ともに3年)の2枚看板がゲームメークする。児玉は5種類の変化球を操り、県大会決勝の能代工戦でノーヒットノーランを達成。「あの時は完全試合を狙っていた」と先発全員から毎回の15三振を奪い、無四球と抜群の制球力も見せた。ただ、体調を崩しやすく「これまでも大会前に高熱を出すことが多かった」と明かす。そのため「手洗い、うがいは欠かさずに行い、就寝時は必ずマスクを着けて寝る」という万全の体調管理で、全国大会を迎える。
泉は最速140キロの直球と切れ味鋭いスライダー、スプリットで押しまくる。ピンチの場面でも弱気な表情を見せない心の強さがあり、北東北大会決勝のむつ工(青森)戦では3安打13奪三振で完封勝利を挙げた。「自分が三振を取ることで守備陣の気持ちを盛り上げたい。だから三振にこだわっている」と力強く言い切る。打撃に関しても「自分は打てる8番です」と話し、今春から公式戦で何度も得点に絡んできた。
打線も強力だ。レギュラーメンバーは全員「50本バッティング」を乗り越えた選手たち。この練習は打撃マシンを使って直球と変化球を打ち続け、ヒット性の当たりを最低50本打たなければならない。クリアできなければレギュラーに入ることができない。大山は「いつまでもできなくて悔し涙を流す選手もいる。過酷な練習だが、選手同士の競争心が強まり、自分たちの打撃力を上げてくれた」と心身を鍛えてきた。
10年に全国優勝に導いた就任14年目の今畠寿樹監督(43)は「今年は投打に力がある。(優勝した)あの時以来のチーム。チャンスです」と、3度目の頂点へ照準を定めた。能代の硬式野球部は県大会3回戦で、金足農に3-4のサヨナラ負けを喫したが、1点を追う9回に同点に追いつく粘りを見せた。秋田大会で唯一、1点差で金足農を苦しめた硬式野球部の奮闘にも刺激を受け、高校軟式の日本一を勝ち取るつもりだ。【神稔典】

