大エース「セナ」の名を継ぐルーキーが現れた。仙台育英(宮城)の1年生左腕・笹倉世凪(せな)が20日、多賀城市内の同校グラウンドで行われた注目の練習試合、大船渡(岩手)戦に先発。日米20球団のスカウトが視察した大船渡・佐々木朗希投手(3年)と投打で同郷対決した。

「投」では脱帽した。1回表、死球と内野手の失策で招いた1死一、二塁で、4番佐々木に先制3ランをバックスクリーンに打ち込まれた。2回で打たれた安打はこの1本のみだが、「大きくて威圧感がありました。置きにいった甘いボールですが、トッププレーヤーを感じられたのは良かったです」。それでも「打」ではその裏、変化球に詰まりながらも中前打。最速163キロ右腕からチーム初安打をマークした。

岩手・花泉町(現一関市)出身。付属の秀光中教校(宮城)では140キロトリオの一角で、昨夏の全国中学で準優勝した。最速147キロは2年秋に計測し、177センチ、81キロの厚い胸板もまだ成長中だ。仙台育英の「セナ」といえば、15年夏の甲子園で準優勝した佐藤世那(元オリックス)が記憶に新しい。左太ももの肉離れで出遅れたが、「(中学の)同級生4人がベンチに入っているので、負けたくない」と「令和の怪物」との経験を励みにする。