第1シード浜松商は、星陵に12-4の7回コールド勝ち。序盤にリードされたが、同点の6回に6連打などで一挙に8得点。自慢の攻撃力で好発進となった。

春の王者が貫禄を見せた。試合前半、先発のエース湖東遼馬投手(3年)が制球に苦しみ、2-4とリードを許した。だが、5回に皆戸中(かいとなか)亮平内野手(3年)の適時打で同点に。6回には、打者一巡の猛攻で相手を振り切った。この日3番の藤本匠哉内野手(3年)が3打数3安打2打点の活躍。2本の長打で相手の脅威となり、鈴木祥充監督(56)から「今日の藤本の打撃は100点満点」とほめられた。

今春、快進撃を続けたチームの中、藤本はけがに苦しんだ。春季県大会中に右肩甲骨周辺の筋肉が炎症を起こし、戦線離脱。復帰初戦となった5月の練習試合では、守備の際にベンチへ激突。左肩を脱臼し、東海大会出場を逃した。4月末以来、約3カ月ぶりの公式戦となったが「今まで通りに自分のスイングをしようと打席に入った。その通りにできて良かったです」と白い歯を見せた。

昨夏は正捕手として臨むも初戦敗退。2年ぶりの校歌斉唱を行い「歌いたい気持ちが強かったので、うれしかった」と笑顔。しかし、23日の静岡との3回戦へ向け、すぐに表情を引き締めた。「勝ちにこだわり、“一戦決勝”のつもりで頑張ります」。チームは緊張感漂う初戦を乗り切った。19年ぶりの聖地へ向け、最初の1歩を刻んだ。【河合萌彦】