浜松開誠館の上杉侑外野手(3年)が、チームを3回戦に導いた。

2-2の9回裏2死一、二塁、代打で出番が来た。「興奮していた」。高まる気持ちをバットにのせ、初球の外角直球をとらえる。打球はグングン伸び、右翼手の頭上を越えた。熱戦に終止符を打つ値千金のサヨナラ打。「打った瞬間、いけると思った」とガッツポーズを決め、ベンチから飛び出す仲間の元に飛び込んだ。

元プロ野球選手の中村紀洋非常勤コーチ(45)のアドバイスが生きた。上杉は「普段から『初球からいけ』と言われている。思い切りいきました」と、胸を張った。豪快なフルスイングでプロ通算404本塁打を放ったスラッガーの助言通り、積極的な初球打ちが殊勲打につながった。

3回戦は、浜松学院と対戦する。上杉は「次も個の力ではなく、チーム一丸で勝ちます」と目を輝かせた。【前田和哉】