【機張(キジャン・韓国)1日】今度は投げた。西が止めた! 日本が、V候補で大会4連覇中の米国と対戦した大一番を制した。16得点の猛打を導いたのは、強力打線を食い止めた西純矢投手(3年=創志学園)だ。

3回に2番手で登板すると帽子を飛ばす気迫の投球で、3イニング5奪三振。3回、4回の計10得点を生み出した。前日は2本塁打8打点。佐々木、奥川の調整が進まぬ中、「高校四天王」の1人が“本業”で見せつけた。

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米国の上位打線が、西の気迫に気後れしていた。1-1と流れの分からない展開だった3回に登板。「先発と同じ気持ちで準備していた。高さだけ間違いないようにと思った」。スプリットで一番のくせ者クローアームストロングを空振り三振に取ると攻め込んだ。

2死二塁。4番ソダーストロムには3球勝負を挑み、高め147キロで空振り三振。帽子を何度も飛ばす“激投”だ。その裏、一挙5点を勝ち越し。4回も3者連続三振で抑えると、その裏に野手陣がまた5得点。「うれしい。自分がこの流れ作ったのかなってちょっと思っちゃいます」。素直に笑みを浮かべた。

前日の南アフリカ戦は、指名打者で2本塁打、8打点の大活躍。今度はマウンドに仁王立ちした。力まないよう「8割で」投げたため自己最速154キロにはおよばない148キロ止まりだったが、魂の乗った快速球は日本に勇気を与えた。「直球が走っていた。見逃しだったりファウルになったりしたので、自信になりました」。落ちる球の多投も、中学時代にNOMOジャパンで米国相手に通用した経験を生かしたという。

チーム内ではいつも笑いの中心。苦手な英語で他国選手と話す姿にナインは舌を巻く。同部屋の奥川とは夜遅くまで男子トークに花を咲かせる。「僕はあいつのファン。早くマウンドに戻ってきてほしい」。奥川、佐々木が戻るまで絶対に勝ち進む-。西は、チームの合言葉を一番深く胸に刻む男でもある。

降板後はベンチ最前列で「押せ!」と叫んだり、ピンチの飯塚に「ふ~」っと深呼吸を促したり。応援団長と化して反撃を食い止め、米国の大会連勝を18でストップさせた。

2年夏の甲子園で派手なガッツポーズを怒られ、メンタルの勉強をした。春、夏の甲子園を逃した苦い経験も成長の糧だ。西を中心にしたヤング侍たちが、大きな白星をつかんだ。【柏原誠】

◆西純矢(にし・じゅんや)2001年(平13)9月13日、広島県生まれ。阿品台中2年夏に全国優勝。3年時に「NOMOジャパン」に選出された。巨人高田萌生にあこがれ岡山の創志学園へ進学。1年春からベンチ入り。2年夏の甲子園では創成館から16三振を奪い完封。184センチ、85キロ。右投げ右打ち。家族は母と弟。

▽林(先発し2回1失点も3奪三振)「先発は今日の昼食の時に言われました。緊張しました。何とか最少失点でいけました」

▽飯塚(7回ピンチで救援し2回4奪三振)「ベースボールの本場だけあって日本より数段上。食らいついて勝てたのは大きい」

▽森(初回の三塁打など3安打で貢献)「これまでの反省を生かして、ただ自分の力を出すことだけを考えました」

▽韮沢(3戦連続安打)「米国の投手はズドーンって感じでした。今日はエラーがあったので反省です」

▽横山(7回に流れを変える貴重な1号ソロ)「悪い流れを断ち切ろうと、まずはヒットをと思ったのが、いい形で打てました。今日の結果は忘れて一からやれることをやりたい」