高校の部は、中京大中京(東海・愛知)が高崎健康福祉大高崎(関東・群馬)に競り勝ち初優勝。東海地区には、来春センバツ甲子園で「神宮大会枠」の1校が追加される。

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中京大中京のエース右腕、高橋宏斗投手(2年)は最後の打者を二ゴロに打ち取ると、マウンドで右拳を下から突き上げた。4-3の6回から登板。来秋のドラフト候補は「剛」ではなく「柔」で臨んで、4イニングを無安打無失点に抑えた。

「今日はスピードも球の走りもいまひとつだったので、打たせて取る投球をした」。最速は自己最速から4キロ遅い144キロで、奪三振は0。それでもスライダーや、夏の大会後に覚えたカットボールなどで7回からは3人ずつで片付けた。ソフトバンク山本スカウトは「ひと冬越えるのが楽しみ。来年のドラフトで中心になってくる」と期待を込めた。

新チームから神宮での日本一が目標で、グラウンドのトイレにも「神宮制覇」の張り紙を張った。23年ぶりに立ち襟が復活した新ユニホームで今夏は甲子園出場を逃したからこそ、秋に伝統校の名をとどろかせたかった。全国舞台での優勝は09年夏の甲子園以来。高橋源一郎監督(40)は「年配の方、卒業生が愛着、プライドを持っているユニホーム。その流れを今の子がくんでくれた」と喜んだ。

神宮初制覇にも歓喜の輪はできなかった。印出(いんで)太一主将(2年)は「うれしいが、常に相手をリスペクトしている。だから甲子園で勝っても大騒ぎしないつもりでやっています」。次はセンバツでクールに日本一を喜ぶつもりだ。【石橋隆雄】