日本高野連は27日、ウェブ会議による理事会を開き、今夏の第102回全国高校野球選手権大会と地方大会の中止に伴う都道府県高野連ごとの代替大会について、大会実施要項を発表した。日本高野連と朝日新聞社が後援し、各都道府県連盟に総額1億9000万円の財政支援を行うことを決定。無観客開催で公式戦と位置づけ、大会期間は原則8月末までなどと決めた。新型コロナウイルス感染防止対策のガイドラインも作成し、各高野連に配布した。

代替大会へ向け、オンラインで3時間を超える話し合いが行われた。すでに開催を断念した福岡を除く46都道府県の開催指針となる大会の実施要項を定め「これまでの練習の成果を発揮する機会を設ける」と目的を明記。大会名は主催者となる各連盟が自由に決めるが、日本高野連と朝日新聞社が後援する。新型コロナウイルス感染防止対策ガイドラインを配布した日本高野連が今後も専門医などから最新情報を得て各地へ伝えるためにも、後援という立場を取った。原則無観客での開催で、各連盟に総額1億9000万円の財政支援を行うことも決定した。

大会は公式戦扱いとし、各地区の記録として残される。3年生を多くベンチに入れるなどの意見もあり、登録人数や、休校が長引き練習期間が確保されていないため、7イニング制や10回からのタイブレーク制などは、各都道府県で決定できる。また、1週間500球の球数制限も故障防止の観点から導入する。

夏休みが短く学業の遅れへの影響や1、2年生での新チーム始動などを考え、大会期間は原則8月末までと決定。東北などがすでに希望している県をまたいだ地区大会も禁止しない。25日には福岡県高野連が代替大会を断念を発表したが、日本高野連の八田英二会長(71)は「(福岡県の)判断は尊重したい。(球児は)試練のひとつとして乗り越えてほしい。全国一律とはならないのは残念」と話した。

私的な団体から寄付の申し出も来ているとし、学生野球憲章に照らし合わせて、原則満たされている場合は積極的に受ける。各地区でのクラウドファンディングの可能性も明かし、開催へ向け柔軟な対応を取っていく。【石橋隆雄】