山形県有志9校による代替大会(7月11日開幕)の“予行演習”を兼ねた「強化試合」が13日、荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがたで行われた。

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春夏通算11度の甲子園出場を誇る酒田南は、東海大山形に2-3で惜敗した。

3年生14人中、受験勉強や就職試験に備える7人が“今大会”限りで引退を決断。エース右腕・引地泰賀投手(3年)は「大学の経営学部に入って、将来はコンサルタント業に就きたい。今春に監督が北川(泰俊)監督に代わったのも、コロナで中止になったことも、自分たちしか経験していないこと」。心の強さを身に着け、最後のマウンドで昨秋に東北大会出場の相手強打を封じた。工藤瑛捕手(3年)も「製造業をやりたいので区切りをつけた」と、12年夏から遠ざかる聖地でプレーする夢から切り替えた。

残り7人の3年生と下級生で県制覇に挑む植松大和主将(3年)は「仲間が応援してくれる気持ちは変わらないし、今日の最後はベンチにいたけれど、みんなの執念は感じられた」。最終回に一打同点の好機を得た粘りを、最後の夏につなげる。