山形の独自大会が開幕し、山形南が4年連続で初戦を勝ち上がった。

   ◇   ◇   ◇

まさに「けがの功名」だ! 5度の夏甲子園出場を誇る山形南が度重なるアクシデントを乗り越え、4年連続で夏初戦を突破した。先発したエース右腕・鈴木陸玖(3年)は、2回を終えて足をつって緊急降板。背番号10の右腕・黒沼優太(3年)が公式戦初マウンドに上がり、7回1失点と見事にカバーした。

登板直後の3回2死から3四死球で満塁のピンチを招き、左前適時打で同点を許したが、「序盤は試合の雰囲気にのまれて緊張もあった。後半は修正してストライク先行で投げられた」と落ち着きを取り戻した。その裏に勝ち越し点をもらうと、変化球と高めへの攻めを効果的に使い、打たせて取りながら凡打の山を築いた。残り6回を2安打3四球無失点。5回以降は二塁も踏ませない好投で、エース離脱を救った。

3点リードの9回表2死には、中堅フェンスまで届きそうな大飛球を石沢遼大外野手(2年)がダイビングキャッチ。1回裏に自打球を顔に受けて負傷退場した1番鈴木惇士外野手(3年)に代わって右翼から中堅に回り、全力で飛び込んだ。石井貴之監督(46)は「チーム一番の俊足。次に向けて勢いをつけてくれた」と目を細めた。18日の次戦は昨秋県3位東海大山形との大一番。私学勢を連破して、公立の雄として復権を歩む。【相沢孔志】