ともに8月の甲子園での交流試合に出場する明石商(兵庫)と大分商が練習試合を行った。8球団スカウトの前で、ドラフト候補の明石商・中森俊介と大分商・川瀬堅斗(ともに3年)が投げ合った。

   ◇   ◇   ◇

序盤から、中森は試合を優位に運んだ。本調子ではない中でも「直球と変化球をうまく使いながら初球にストライクを取れていたのでよかった」。初回、先頭打者を3球三振。ストライク先行の有利なカウントに持ち込み、初回1死一塁から2回終了まで5者連続三振を奪った。

先週の練習試合・智弁和歌山戦では立ち上がりに力み、暴投で失点。この日は「初回」と「先頭打者」を抑えることをテーマにした。「投手有利のカウントに出来たのが、三振をとれた理由だと思う」。5回を2安打10奪三振、最速145キロをマーク。四死球ゼロと崩れる気配もない。相手にスキを見せなかった。

投球フォームとバランスを意識した。先週の智弁和歌山戦は5回1安打11奪三振で1失点。数字だけみれば「好投」に見えるが、中森は納得しなかった。「フォームをもっと良い物にしたい」とこの1週間で「自分の前でテークバックを上げてくるイメージ」と気がかりだった点を修正した。狭間善徳監督(56)も「徐々にはよくなってる。うまいこと力を抜きながら。前よりは(バランス)いいのかな」と復調を感じている。

兵庫の独自大会開幕まであと約2週間。その先には甲子園での交流試合も待つ。「残された戦いは数少ない。全勝して終わりたい。ピークを甲子園に持って行けるようにしたい」。最後の夏、マウンドで見せる姿を理想に近づけていく。【望月千草】

◆中森俊介(なかもり・しゅんすけ)2002年(平14)5月29日、兵庫県丹波篠山市生まれ。福住小2年時に多紀野球少年団で野球を始め、篠山東中では軟式野球部。中3夏から三田ボーイズ。明石商では1年春からベンチ入り。19年春夏連続甲子園4強の原動力となった。182センチ、86キロ。右投げ左打ち。