山形県大会は8月1日、鶴岡東―東海大山形のカードで決勝戦が行われる。東海大山形にはエースで4番主将の大黒柱がいる。背番号1の右腕・畑中悠哉投手(3年)だ。この日は山形市内で約3時間の最終調整を行った。畑中は「山形で一番長く野球ができる喜びがある。(招待試合の)甲子園も決めている鶴岡東とやれることはワクワクしている」と、集大成を見せる最終決戦に闘志を燃やした。

山形・東根市出身で中学3年夏に「(武田宅矢)監督さんに『最近は甲子園に出られていないけど、お前の力を借りて一緒に甲子園に出よう』と言われた。古豪復活の思いもあって、地元で目指したかった」と、04年春以来の甲子園出場へ進学を決意。1年春からベンチ入りし、2年春の県大会はエースとして登板。しかし同県大会後に右肘を手術し、昨夏は野手として4強入りに貢献した。

高校初の夏公式戦マウンドとなった初戦(2回戦)の山形南戦は、7回参考ながら無安打無得点の快投を演じた。準決勝の日大山形戦では自己最速を更新する141キロもマークし、全力投球で決勝に導いた。昨春から県内公式戦無敗の「王者」とは、2-16の5回コールドで完敗した昨秋準決勝以来の再戦。今夏4戦で47安打54得点、チーム打率4割5分2厘の強力打線に立ち向かうことになる。「甘い球が入ったら絶対に打ってくる。気を抜いた1球が命取りになるので、1球1球、どう打ち取るか考えて投げたい」。3つ大役を担う男が、歓喜の瞬間をお膳立てする。【相沢孔志】