日体大柏の最速143キロ右腕・箱山優投手(3年)が初戦から投打で活躍し、チームを勝利に導いた。

先発した箱山は、ストライク先行でテンポよく投げこんだ。「今日はあまり調子がよくなかったので、打ち取るイメージで投げました」と振り返るが、三振を狙うときはギアを上げ、得意の真っすぐとスライダーを投げ込んだ。2回をのぞいて毎回2三振を奪い、5回までに8三振。2安打無失点に抑え、6回から外野の守備についた。打っては3回に二塁への先制適時打を放ち、4番としての役目も果たした。

プロ野球を目標に掲げ、意識が変わった。昨年、秋の大会が終わり、伊藤太一監督(32)に「プロに行きたいです」とハッキリと伝えた。秋の大会、練習試合にたくさんのスカウトが視察に訪れた。周囲の評価を耳にし、上を目指す気持ちが明確になった。伊藤監督は「高い目標ができたからでしょうか。目の色が変わり、練習に取り組む姿勢が変わりました」と変化と成長を目の当たりにした。「投手でも野手でも、評価の高い方で」と、投手、野手、いずれも練習は一切、手を抜かず。この冬はスイングの速さを意識し、少しでも時間があるとバットを振りこんだ。投手としては変化球の精度を上げることに力を入れた。「飛距離も伸びた。変化球でストライクも取れるようになりました」と手応えを感じている。

コロナの影響もあり、すでに大学進学を決めた。現在の目標は「4年後のドラフトで1位で指名される選手になること」と明確だ。今大会も、少しでも成長をアピールできるように。4年後を見据えた箱山の戦いは始まっている。【保坂淑子】