<高校野球千葉大会:市船橋10-0東葉>◇6日◇3回戦◇ZOZOマリンスタジアム

試合の裏に、高校野球ならではのドラマがあります。「心の栄冠」と題し、随時紹介します。

   ◇   ◇   ◇

東葉の清水大翔(だいと)投手(3年)は市船橋に0-10で完敗したが、最後は笑顔で夏を終えた。2回に連打を浴びて3点を失うなど、6回コールド負け。過去最速は147キロだが、肘に違和感があり本来の投球ができなかったが、言い訳はしなかった。「自分の態度でチームの雰囲気を悪くしたくない。相手の方が実力が上でした」と理想のエース像を貫き、市船橋をたたえた。

笑顔の理由はもう一つ。市船橋の主将桜内俊太捕手(3年)とは、習志野台中時代にバッテリーを組んでいた。中学最後の夏では船橋市で4強にまで勝ち上がったが、卒業後はそれぞれの道に進んだ。自粛期間中には、再びキャッチボールをする機会があり、互いに一回りも二回りも成長した姿を感じていた。「悔しさもあるが、このまま勝ち進んで欲しい」とかつての相棒の健闘を祈った。【沢田直人】