昨秋、ベスト16進出で21世紀枠候補に選ばれた東金(千葉)が、5回コールドで3回戦に駒を進めた。

1回、先発の川戸康貴投手(3年)がテンポよく3者三振で仕留めると、打線も勢いに乗った。相手投手の乱調に2安打を絡め、一挙6点。試合の主導権を握った。先発の川戸は、1安打を許したものの4回まで10三振と相手に付け入る隙を見せなかった。「今日は真っすぐで押してスライダーで三振をとることができた」と胸を張った。

自信が選手たちをたくましく成長させた。土屋宇広監督(57)は「この子たちは、本当に弱かったんです。でも、21世紀枠候補に選ばれ、注目されることで自信をつけた。私も、ここまで子どもたちが変わるものなのだと驚いています」と選手たちの成長を評価した。川戸はピンチにも、動じない精神力を身に付けた。「評価されたことは自信になった。マウンドでは相手よりも自分が上だと思って、力まずに投げられました」と手応えを口にした。

川戸はコロナでの自粛期間をプラスに変えた。「絶対に体力だけは落としたくない」と、毎日走り込みとトレーニングに力を入れた。6月15日に練習が再開すると、安定したフォーム作りを追及。「軸足が折れて、顔が下を向いていた。それをしっかり修正して制球力が上がった」と、順調な調整を経て大会に臨んでいる。

今大会、チームの目標は地区トーナメントを勝ち抜き、東金初のベスト8入りすること。土屋監督は「1戦1戦、はい上がっていきたいですね」と力を込めた。