1度はあきらめた甲子園の舞台に立てた。19年夏に101回全国高校野球選手権大会で初優勝した履正社(大阪)の優勝旗返還式が19日、甲子園で行われ、市西宮(兵庫)の女子生徒15人がプラカードや国旗などを持ち、行進した。

現在は毎年2年生の中から選ばれるため、今夏の大会中止とによって、現2年生はたった1度のチャンスを失っていた。返還式で「復活」したチャンスには90人が志望し、15人が合格。日本高野連や主催者側の配慮で「前年度優勝校」と「履正社」のプラカードは2枚に増やされた。

「前年度優勝校」を持った寺崎桃杏奈(もあな)さん(2年)は「中1のころから憧れていた。家の廊下で竹の棒を持って歩いていました」と、この日に備え自宅でも練習を続けてきた。「履正社」のプラカードを持った今徳(いまとく)夢乃さん(2年生)は「甲子園の土を踏むことができてよかった。(背後の)履正社の選手は背が高くて迫力があってゴツかった」と笑った。3つ上の姉、希さんは市西宮在学時、2年連続で選ばれ国旗、大会旗を持った経験があり、自宅でアドバイスをもらっていた。

返還式後は市西宮の15人の生徒と履正社ナインがマウンドで記念撮影をした。【石橋隆雄】