十勝、旭川、空知、北見、釧根、函館、小樽の7地区で代表決定戦が行われ、旭川地区は旭川大高が延長12回の末、プロ注目の旭川実エース右腕、田中楓基(3年)を打ち崩し、2年ぶりの全道進出を決めた。

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旭川大高が昨秋全道準優勝の旭川実を撃破した。延長12回まで戦い、8-7の辛勝。最速147キロの相手エース田中楓に11安打を浴びせた。立ち上がりは苦戦し、3回まで無得点。一時4点リードを許したが、4回以降コツコツと得点を重ね、1点を追う9回1死三塁。3番富田翔太中堅手(3年)が同点打を放ち、望みをつなげた。この日は3安打と活躍。「素直にうれしいです」と喜んだ。端場雅治監督(51)は「出来過ぎ。こんなに点を取ると思わなかった」と驚いた。

田中楓対策の成果だった。昨年12月から速球を打ち込んできた。昨秋の全道準V右腕とは同じ地区。春、夏の対戦を見据えて、打撃練習では打撃投手が通常より5メートル手前から投げた。富田は「速い球の対策を徹底していた。しっかり振れた」。同点打も内角直球を強振できたからこそ、イレギュラーなバウンドで左前安打となった。好投手を打ち崩し、「自信になる」と胸を張った。

延長に突入後も我慢強く戦った。「こういう緊迫したゲームを経験したのはプラスになる」と端場監督。昨秋の全道では、優勝した北海に1-7で初戦敗退。旭川大高ナインが、一冬越して成長した姿を全道で見せる。【保坂果那】