兵庫大会は14日に各地で2回戦が行われ、市尼崎が伊丹西に5回コールド勝ちで圧勝した。「佐藤輝明2世」こと3番米山航平外野手(3年)は無安打ながら3四死球で2得点で勝利に貢献。阪神、巨人など4球団のスカウトが見守る中で、「本家」に負けない存在感を見せた。

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市尼崎の“佐藤輝明2世”が体を張って、初戦突破に貢献した。3番米山航平外野手(3年)が無安打ながら3四死球で2得点。9-1の5回裏無死一塁。阪神、巨人など4球団のスカウトが見守る前の4打席目だ。1発なら“サヨナラ2ラン”だし、初安打も欲しい。しかし、ボール球に手を出さず、それが腰に当たった。死球でつなぎ、結果的に“サヨナラコールド”のホームを踏んだ。「もちろん1本出ればうれしいですが、四球でも死球でも塁に出てチャンスメークを、と思ってました」と振り返った。

頑丈だ。阪神佐藤輝似の顔、左打ち、豪快なスイングに加え、188センチ、95キロの巨体。主将の広井康慎捕手(3年)が「あいつの太もも、見て下さい。チーム一。馬みたいですよ」とあきれる。米山のユニホームは“3代目”だ。初代はサイズOで入部直後にまた下が破けた。今は「XXO、XXXOぐらい」で、父特製の“味タマゴ”などをぱくつき、体をキープする。

高校通算本塁打を夏前に「10本ぐらい」で「今は12本ぐらい」と適当に言い放つ。大物は個人成績でなく、勝ちにこだわる。今春のセンバツ出場校・東播磨に昨秋県大会3回戦で1-2と惜敗し、春は県3回戦で神港学園に2-6で負けた。「上の方で勝つにはヒットだけじゃ難しい。バント、走塁の意識を高めて、とみんなで話しています」。本家が日本一を目指すように、米山は甲子園しか頭にない。【加藤裕一】

◆米山航平(よねやま・こうへい)2003年(平15)12月12日生まれ、神戸市出身。野球はなぎさ小5年から「なぎさ少年団野球部」で始め、渚中では軟式野球部。高校は1年秋から背番号19でベンチ入り。家族は両親、弟2人。祖母の親戚に、元阪急投手で通算254勝の梶本隆夫氏。188センチ、95キロ。右投げ左打ち。