春全道王者の札幌日大が、3大会連続甲子園を目指す北照を5-4で下した。6番石川が9回に勝ち越しの左前適時打を放ち、勝利を呼び込んだ。それまで3打数無安打。前の打者が申告敬遠後で「自分と勝負してくれてありがたかった。燃えるものがあった」と振り返った。

今春は4番も、優勝した全道大会4試合で17打数2安打、10三振とスランプに陥った。北海道栄との決勝戦は、3打数で二塁内野安打1本に終わり、6回の守備から交代させられた。「優勝の喜びよりも悔しさの方が大きかった」。夏の地区予選は7番に降格。復活を期すも8打数2安打と、なかなか結果が出ずにもがいていた。

森本卓朗監督(40)から「練習をやれば必ず結果に表れる」と助言を受け、毎朝午前6時から室内練習場で自主的に素振りを行い、前掛かりになっていたフォームも改善。南大会は6番で起用した同監督は「生みの苦しみ。石川に1本出たことは大きい」と喜んだ。

中学時代は北海・宮下朝陽主将(3年)のチームメート。「センバツに出ている姿をみて刺激を受けた。今度は自分たちが勝って甲子園に行く」。昨秋全道で0-10と大敗した借りは、最後の夏に返す。【永野高輔】

○北照を破った札幌日大の田中銀主将 春全道王者になった時も接戦を制してきたので、自信を持って戦った。春の結果で、てんぐになるのではなく、最も試合を経験できたチームと謙虚に捉えて戦っていきたい。