常総学院が水城に逆転で決勝進出を果たした。

秋本璃空投手(3年)が帰ってきた。初回から力強いまっすぐと変化球で丁寧に打たせてとった。「今日は完投する気持ちで全力でいった」。7回途中で右足がつりそうになり6回1/3、1安打1失点でエースの大川慈英投手(3年)につなげた。

相手は県内屈指の好投手・樫村佳歩(3年)。初回から140キロ中盤を連発し、この日の最速は146キロ。それでも秋本はひるむことなく「自分は自分。速球にこだわらず自分の持ち味のキレで勝負しよう」と、130キロ中盤の真っすぐと変化球を1球1球、丁寧に投げきった。1番力が入ったのは、樫村を打者として迎えたとき。「樫村君は打者としてもいい。打たれたら、波に乗ってしまうから」とギアを一段上げた。1打席目はスライダーで二ゴロ。5回にはこの日最速の140キロ真っすぐで遊ゴロに仕留めた。

打線も秋本の好投に応え、0-1で迎えた5回裏、2死から2連打で同点。さらに一、二塁から鹿田優外野手(2年)の左越え適時打で逆転に成功した。

昨秋の新チームスタートから、今春のセンバツまで背番号1を背負っていたが、春の県大会では不調もあり、背番号10に。その後、肘の痛みを発症し、関東大会ではベンチを外れていた。リハビリを重ね復帰。今大会は背番号10でベンチ入り。1戦ごとに感触をつかみ「背番号は関係ない。マウンドに上がった投手がエース」と堂々と投球。勝利に導いた。

島田直也監督(51)は「秋季大会の良かった頃の秋本に戻ってきた。うれしいですね」と合格点を与えた。昨秋、関東大会準優勝の必勝リレーが帰ってきた。26日は鹿島学園との決勝戦。秋本は「センバツの悔しさは、甲子園でしか返せない。決勝戦も地に足をつけて、しっかりと投げたい」と力強く話した。