京都国際の森下瑠大(りゅうだい)投手(2年)が、二松学舎大付(東東京)の秋山正雲(せいうん)投手(3年)との好左腕対決を制し、夏初出場での8強進出を導いた。延長10回で142球を投じ、7安打4失点で12奪三振。前橋育英(群馬)との1回戦完封から連続完投を決めた。

打っても1点を追う5回に秋山の速球を逆方向に運び、左翼ポール際に同点ソロ。4-4の10回には、左翼へ決勝の適時三塁打を放った。小牧憲継監督(38)から「どちらが大会NO・1サウスポーか証明してこい」と激励された一戦に投打二刀流で勝利した。

初回に1点を失ったが、自慢の真っすぐを主体に8回まで0を並べた。3点リードの9回、桜井に同点3ランを浴びたが、「引きずる投手だとエースじゃない」と鼓舞。「絶対に取り返してやろう」と直後の10回に勝ち越し打を放つと、その裏最後の打者はオール直球の空振り三振でガッツポーズを決めた。センバツは2回戦で、2点リードの9回に東海大菅生(東京)に逆転サヨナラ負け。東京勢へのリベンジも果たした。

中学時代は福知山ボーイズに所属。野球に対する熱量は半端なく、体を休ませる日でも「投げさせて欲しい」と願い出た。練習では1イニングごとに捕手と“配球討論会”を重ねる研究熱心な選手だった。大江学監督(51)が「チームに的確な言葉も言っていた。ボールを見る勘も抜群だった」と認める好素材だった。

森下は卒団式で「プロ野球選手になる」と宣言した。あれから2年。来秋のドラフト候補に成長した。「この試合で勝って自分の名前を全国に広げたかった」。スーパー2年生がもっと光り輝く。【三宅ひとみ】

◆森下瑠大(もりした・りゅうだい)2004年(平16)9月19日、京都府福知山市生まれ。小1から昭和ガッツで軟式野球を始める。中学は硬式の福知山ボーイズでプレーし、中学3年時に全国大会に出場した。京都国際では1年秋からベンチ入り。身長178センチ、体重73キロ。50メートル走6秒5、遠投100メートル。高校通算8本塁打。左投げ左打ち。家族は両親と兄、弟。

▽ロッテ永野育成・スカウト部長(森下について)「打ちづらそうな感じ。リーチが長く、リリースまでの時間が長い。打者はボールとフォームのズレ、違和感を持つと思う。楽しみです」