離島勢として初めて鹿児島県大会を制した公立の大島が3-0で興南(沖縄1位)を下し、21世紀枠で甲子園初出場した14年以来2度目となる「センバツ当確」の4強を入りを決めた。プロ注目の最速146キロ左腕、大野稼頭央投手(2年)が引き分け再試合を含む3試合連続完投。再試合から中1日の大一番も121球を投げ3戦28イニング467球の粘投で貢献した。

大島の鉄腕が投打の活躍で、センバツ出場へ前進する大一番の勝利に貢献した。大野は、最後の打者をスライダーで空振り三振に打ち取り両手を広げてガッツポーズ。整列後、「ホッとしたのとうれしさが一気に出ました。甲子園に1歩近づけてうれしかった」と感極まり、目頭を押さえた。

「今日は100点満点」という公式戦2度目の完封だった。強打の興南打線を、高校で覚えた「1番武器の生命線」という90キロ台スローカーブを交えた緩急で翻弄(ほんろう)。2奪三振も打たせてとる省エネ投球で散発6安打に封じ3回には先制適時打も放った。

7日の大分舞鶴との引き分け再試合に2日連続の完投で8強入りに貢献。だが、延長10回だった6日が186球で、再試合は160球を投じ疲れは残った。試合休養日の8日はノースロー、昼食にうなぎを食べ疲労回復に努めた。

1週間500球以内の球数制限がある中で意識もしたというが、塗木哲哉監督(54)は「気にせずどんどん投げろ」とのハッパに応え121球完封。中3時に陸上競技の3段跳び、駅伝メンバーとして県大会に出場した抜群の身体能力、スタミナを武器に、全国制覇歴のある難敵撃破に導いた。【菊川光一】