中国地区代表の広陵(広島)は接戦をものにして、初戦を突破。明治神宮大会では06年以来の勝利を飾った。

プロ注目の先発、森山陽一朗投手(2年=翠町)は2回に適時二塁打で先制を許した。それでも、直後の2回裏に同点に追いつくと2死一、二塁から森山の中前適時打で勝ち越す。さらに3回には、無死一塁から3番の内海優太外野手(2年=大塚)が右翼ポール際に2ラン。「思い切って振り抜けたので良かった。狙ってはいなかったが、反応で打てました。感触はすごく良かった」と話した。

エンドランを仕掛けた中で116キロスライダーをうまくすくい上げ、大会通算300号のメモリアルアーチで引き離した。

森山は4、5回に1点ずつを返される。ただ、140キロ前後の直球に緩い変化球を交えて6回を6安打3失点と力投。「最初からあまりいい球がいってなくて、体重移動もできていなかった。納得のいく結果ではなかった。相手打線がストレートに張ってきていたので、(捕手の)大山と話し合って変化球を増やす形で投げました」と言い、走者を背負う場面が多かったが、最少失点で切り抜ける投球が続いた。

4-3の7回2死一、三塁から大山陽生捕手(2年=東原)に中前適時打が出て、流れを引き寄せた。2番手の岡山勇斗投手(1年=国府)は無失点でリードを守り切った。

チームは14安打を放ち、守備も無失策。甲子園3度の優勝を誇る名門が準決勝に駒を進めた。中井哲之監督(59)は「粘り強くチームが1つになって頑張ってくれたことが勝因。神宮球場で人工芝ということもありましたし、試合前から非常に緊張していたと思う。その中で本来の森山のピッチングじゃなくてバタバタしたところもありましたし、守備の時間が長かったと思いますが、守るところをしっかり守ってくれた」と試合を振り返った。

次戦に向けては「できることを精いっぱい出し切っていきたい」と意気込んだ。