高校の部は4チームの1年生が大活躍した。大阪桐蔭は左腕の前田悠伍投手が九州国際大付(九州・福岡)4番の佐倉侠史朗内野手に1発を浴びたが、7回を2失点。適時三塁打も放つなど奮闘し、初優勝に王手をかけた。

広陵(中国・広島)は4番の真鍋慧内野手が豪快な3ランを放てば、花巻東(岩手・東北)も3番の佐々木麟太郎内野手が3ランを含む3安打5打点。競り勝った広陵と大阪桐蔭が25日に決勝を戦う。4校は来春のセンバツ出場が確実で、1年生カルテットが甲子園を沸かせそうだ。

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ライバル心がわきたつリベンジだった。大阪桐蔭の前田が手痛い被弾にも耐え抜いた。1点リードされた3回2死走者なし。佐倉との2度目の対戦だ。同い年スラッガーにカウントを整え、外角低めスライダーで見逃し三振。6回も容赦しない。簡単に追い込み、外角スライダーで空を切らせた。左腕の意地が光った。

佐倉との1年生対決に気負った。2回、速球を狙い打たれ、右翼に先制ソロを浴びた。「威圧感、雰囲気がある。意識しすぎた。同じ1年生で絶対に負けられないと。タイミング良く打たれていい打者」。失敗を繰り返さず仕返した。公式戦初被弾の2アーチを食らうが7回2失点で耐えた。

「絶対に点を取ってやるから」とベンチで2年生に励まされた。前回登板の21日敦賀気比(北信越・福井)戦で6回10奪三振無失点。この日も力投し、西谷浩一監督(52)は「試合を作ってくれた。まだ1年生で細かいことを言ってない」と言った。打線は1点を追う6回、伊藤櫂人内野手(2年)の2ランや自身の適時三塁打など5連打で一挙7点。逆転の7回コールドで03年以来、18年ぶりの決勝進出だ。25日に広陵と決勝を戦う。初優勝なら明治神宮大会枠を得て、来年3月センバツの近畿1枠増をもたらす。西の横綱が威信をかけて戦う。【酒井俊作】