昨夏の甲子園優勝校の智弁和歌山が着実に加点して、8大会連続15回目の優勝だ。勝利への加速させたのは1点リードの5回。1死二塁で主砲の渡部海捕手(3年)が左翼に2ランを放ち、リードを広げた。1点をかえされた7回もすかさず得点し、スキを見せずに安定した戦いだった。

序盤は1年生サブマリン、木村健太郎投手に苦戦した。入学して28日の下手投げ右腕に翻弄(ほんろう)された。3回1死二塁で中軸を迎えたが、渡部海捕手(3年)が106キロを打ち損じて左飛に倒れ、青山達史外野手(2年)も中飛に抑えられ、先制できない。

地面スレスレのリリースポイントから、浮き上がるような軌道で球がやってくる。昨夏の甲子園優勝メンバーも名を連ねるなか、間合いを図りきれない。4回に1死二、三塁で代打沖寛太選手(3年)が右前適時打を放ち、先制した。だが一、三塁の加点機で遊撃併殺打に仕留められた。木村は4回1失点で降板。常勝チームの力量をもってしても、思わぬ難敵に遭った。

前日7日の準決勝は主戦でプロ注目の武元一輝投手(3年)と塩路柊季投手(3年)が継投し、4-2でセンバツ出場校の市和歌山を下していた。難敵を打破し、春の和歌山大会を制して、堂々と近畿大会へ。夏の甲子園連覇に向けて力強く歩を進めた。