<高校野球宮崎大会:富島2-0宮崎西>◇27日◇決勝◇ひなたサンマリンスタジアム宮崎

富島が3年ぶり2度目となる夏の甲子園出場を決めた。プロ注目で最速148キロ右腕の日高暖己(あつみ)投手(3年)がわずか2安打、100球未満で完封する「マダックス」を達成。「守備のリズムを考えながら、打たせていきました。尻上がりによくなっていたと思います」。最後まで二塁を踏ませず、5回以降は無安打という圧巻の91球だった。

昨季の沢村賞右腕が憧れだ。同じ宮崎県の都城高出身のオリックス山本由伸は「投げたらチームが勝ちますし、調子がいい時と悪い時の差が分からない。そこを目指したいです」。山本のテークバックをまねし、長身から伸びのある直球を投げ込む。バッテリーを組む日柳永遠捕手(3年)は、捕球しているだけで血マメができるという。日高は「入学した時は127キロでしたが、冬のトレーニングで上がりました」と言い、昨年までは内野手と兼任だったことを考えれば、伸びしろ十分だ。

過去2度の甲子園は、ともに初戦敗退だった。浜田登監督(54)は「どうしても甲子園で1勝したい。甲子園で声高らかに富島の校歌を歌いたい」と熱弁した。日高が、富島の悲願をかなえる。【只松憲】

◆日高暖己(ひだか・あつみ)2004年(平16)9月16日生まれ、長崎県諫早市出身。生後4カ月で宮崎に引っ越した。細島小1年の時に「細島スポーツ少年団」でソフトボールを始める。富島中では軟式野球部に所属。富島では1年秋からベンチ入りし、2年冬に最速148キロを計測。変化球はスライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ。183センチ、75キロ。右投げ左打ち。

◆富島 1916年(大5)農業学校として創立の県立校。48年から現校名。商業科、生活文化科。生徒536人(女子359人)。野球部は48年に創部で部員数50人(マネジャー9人)。甲子園は春1度、夏は2度目。主なOBに三浦浩子(漫画家)高尾宏明(重量挙げ選手)ら。所在地は宮崎県日向市鶴町3の1の43。小川晴彦校長。